ブライアン・オーサーコーチ、メドベージェワ選手の状態やジャンプについて語る。
またコーチ達のインタビューを訳していこうかなと思います。コーチではなくても、現役スケーターではない視点からの意見、新採点で選手をやっていた元選手の言葉は読みごたえがありますので、そういうものを訳していこうかな、と思っています。
今回は有名コーチのインタビューです。調子を上げつつあるメドベージェワ選手に関して、ブライアン・オーサーコーチが語っています。
ロシア語→英語→日本語です。
英語に訳された記事はこちらです。
I→質問者
B→ブライアン・オーサーコーチ
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【ブライアン・オーサー︰メドベージェワには語りたい事がある。彼女は確かなメッセージを持って滑る。】
I︰ブライアン、私達が中国で話した時、モスクワでのグランプリで、メドベージェワのトレーニングにおける懸命な取り組みの結果が見える事を願う、と貴方は言いました。そしてここ(モスクワ)での事です…結果です。貴方が見たものに満足していますか？
B︰勿論です！僕の助けになります。彼女のコーチとして指導者として、彼女を信じさせ、その仕事の報酬を得ることになるでしょう。エフゲニアが以前は挑戦していなかった、という意味ではないです。彼女は常に大変な勤労者です。そうでなければ世界チャンピオンや五輪メダリストにはなれません。でも今は大人として、更に厳しく練習する必要があります。そして、これがまさしく彼女がやるべきトレーニングのアプローチです。毎日午前に起きて、練習に行く必要があります。
人々が仕事に行くようなものです。若しくは、例えば大学にいる時のような。勉強する時には、ただ午前に起きて図書館へ行きます。アスリートも同じ事です。僕達は起きてジムへ行きます。トレーニングは仕事です。そのやり方を理解する必要があります。大人としてです。
I︰モスクワでのグランプリが始まる前に、貴方はエフゲニアが彼女の人生においてベストの状態にあると言及しました。何人かは貴方の言葉に懐疑的でした。でも、私達が話しているように、結果がスコアボードに出ました。教えて下さい。全ての要素を計算している時、この試合の結果はメドベージェワの復活のようなものになる得ると考えられましたか？
B︰はい、そう思います。これは彼女が大人の人生で初めての事です。僕達が彼女がこのようなスケートをする所を見る時には。彼女は個性と若さを見せました。でも同時に、大人の女の子だという事もです。そして彼女は何か語る事があるのです。確かなメッセージを持って彼女は滑ります。
(中略)
I︰貴方はこのような期間の過ぎ方について幸せに感じますか？(環境を変えると上手く行くまでに1年半はかかると語っていたが、それが過ぎようとしており、エフゲニアの調子が良くなって来ている事について)
B︰当然です！僕にとっては物凄い経験です。加えて、昨年には僕はシングルスケーター達と高いレベルに到達する事が出来ました。ユナ・キムと仕事を始めてからは、このような挑戦をした事はありませんでした。彼女は当時15歳で、彼女が美しい若い女性になって行く期間を共に過ごしたのです。彼女にとって、その過程はそれほど複雑では無かった事と思います。彼女の体格によって…。
僕は(エフゲニアと)一緒にやってきた事を、とても誇りに思います。僕達がこれからやらないといけない事に関しても同様です。彼女もまた、僕の考えでは、誇らしいと思っているでしょう。彼女にとってこれは大きな突破口です。
(中略)
I︰エフゲニアは貴方とトレイシー・ウィルソンの事をいつも暖かみを持って話します。その、まるで家族のように。教えて下さい。氷上以外でも彼女とコミュニケーションを取りますか？
B︰いいえ。僕達のコミュニケーションは取り組みやスケジュール、そういうものに基づいています。その他については、彼女の母親がトロントで一緒に住んでいます。彼女には彼女の生活があり、僕は彼女がフィギュアスケートに集中する事に関わる全てについて、彼女を信頼しています。
I︰彼女がヴィーガン(菜食主義者)になった事はどう思いますか？それは助けになるものですか？又はその逆もありますでしょうか？
B︰かなり健康的なダイエットだと思います。僕達はそれについてはそんなに話していません。でも彼女が氷上でどう見えるか、の審判は出来ます。そして彼女は健康的に見えます。彼女はバランスの取れたダイエットをしていて、エフゲニアはトロントの栄養士と一緒に取り組んでいます。
全てにおいてバランスがあるべきです。ただ彼女は活発であり、非常に優良な体型です。もし問題があれば、僕が介入するでしょう。もし体重が必要以上に減ってしまったら…その逆も同様です。僕を困らせるものです。
I︰それでは少しだけ緊急の問題について話しましょう。女子ショートプログラムに4回転を許可するようにロシアの連盟が提案した事を、どうお考えですか？
B︰その事には巻き込まれないようにしたいです。何故ならどうなっても、僕がその事に影響を及ぼす事は出来ないからです。どんな方法でもね。僕達はただ現存するルールの枠組みの中で演技をする。それだけです。
でも、そうですね、かなりシンプルに聞こえます。ルールを変えて、ショートプログラムに4回転を許可する。ただ、スケーター達はショートプログラムで巨大なプレッシャーの元に置かれます。僕達はショートプログラムでの失敗を何度も見ました。それはプレッシャーから起きるものです。
選手に何も土台が無い事は、頼るものが何も無い事です。そしてあのように限られた要素の数では…フリーではジャンプで小さな失敗が出来ます。何故なら失った要素を回収する機会があるからです。でもショートでは全てを降りる必要性があります。僕が滑っていた時、何が頭の中で起きていたのかを思い出します。ショートプログラムでの4回転はとても難しい事です。
I︰エフゲニアはどうでしょうか？彼女は4回転サルコウに取り組んでいる、と以前よく言っていました。今貴方は一緒にジャンプの練習をしますか？
B︰はい。4回転を練習しています。僕達はこの方向で取り組み続けます。この事のために彼女の身体を準備するという点から、氷の外で必要な事を全てやっています。それから、彼女がこの要素を感じ始めたらすぐに、彼女にとって全くシンプルなものになるでしょう。いつか、その日がやって来ます。
今メインの事は練習を続けて、そしてトライ、トライ、トライ。それから氷上以外の必要なトレーニングの実行です。それが4回転ジャンプに対処するために、彼女を十分に強くするでしょう。
I︰今シーズンに彼女の4回転は試合で見られるでしょうか？
B︰何だって可能です。ジェーニャがおそらくはグランプリファイナルに進出しない事から、僕達はトレーニングに集中する時間を沢山持つ事になります。
(中略)
I︰貴方はナショナル・チャンピオンシップのために、エフゲニアと共にロシアへ飛びますか？全日本からそんなに沢山の休みがありませんが…
B︰行きますよ。全日本の後に一週間くらいはあります。ロシアへ飛びます。
I︰貴方とエフゲニアはロシア・ナショナルにどのような目標を定めていますか？
B︰僕達はただやっている事を続けていきます。ジェーニャからここ(モスクワ)でやったのと同じスケーティングをクラスノヤルスクでも見る事になったら、僕は嬉しいです。ショートもフリーも。そうなれば素晴らしい。最も重要な事は、僕達にはその力がある事です。
(後略)
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メドベージェワ選手の演技を見ていると、4回転は要らないんじゃないか、なんて思えてきます。でもそういう大きな得点源がないと、世界選手権等に行けるかどうかも難しいというのは見えています。
今シーズンは、もしかしたら…出場機会というのは、ちょっと厳しいのかもしれません。でも来シーズンには、どうなるか誰にも分からないです。今大活躍の3人が北京五輪の代表になるかどうか、これも分からないのです。まだ年齢が若い少女達に、なんと過酷な…とも思いますが…。でも男子も正直、どうなるか分からないですし、見てる分には面白くても本当に厳しい世界ですね…。
数年前には、今のトゥルソワ選手達の位置にメドベージェワ選手がいたわけです。誰にも負けなかった。それでも彼女のやり方で前向きに進んでいる姿は、応援したくなりますね。とにかく怪我無く、素晴らしい演技を見せ続けて欲しいと願っています。
