プルシェンコさんがトゥルソワ、コストルナヤ移籍について語っています。①

前回と同じ時期のエフゲニー・プルシェンコさんのインタビューを訳してみました。内容が似たものもありますが、色々な人から同じような事を聞かれても答えるプルシェンコさんもすごいなと思いました。インタビュー自体に慣れているとは思いますが。

英訳された元の記事は

こちら

です。

ロシア語→英語→日本語です。

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エフゲニー・プルシェンコ︰彼女達は夜に盗んできたような、咲いた花が乗った鉢植えではない。人格、歴史、魂を持つ生きた人間達です。】

 

I︰ロシアフィギュアスケート連盟のコーチング評議会の議長、エレーナ・アナトリエヴナ・チャイコフスカヤはロシア・カップでの勝利の後にアレクサンドラ・トゥルソワを非常に賞賛しました。彼女はこう言いました。貴方のスケーターは柔軟性、音楽性において成長し、違ったように滑り始めていて、違って見えていると。こういった賛辞はいかがですか?

 

E︰エレーナ・アナトリエヴナは偉大なる至高の指導者です。そして彼女がサーシャについてそのような言葉を言う時、私は嬉しいです。これは仕事が上手く進んでいる事を意味しています。私は沢山のコーチ達のコメントを読みました。彼らの99%がエレーナ・アナトリエヴナと同じ事を言っていました。これにとても満足しています。サーシャも、そうだと思います。それから私の全てのチームも。私達は正しい道を行っているという事なのです。アスリートを6ヶ月で完全に変える事は不可能です。しかし既に幾つかの修正を行いました。サーシャは本当に働き者で、素晴らしいアスリートです。私達はこのような確固たる意思を持ち、毎日を懸命に練習に励む準備が出来ている人達をもっと受け持ちたいと思っています。

 

I︰もし私達がサーシャの新しいイメージは建設者だと想像するなら、そうしたら誰が、より優れている領域まで、彼女のスケーティング技術に取り組んだのです?

 

E︰最初に、セリョージャ・ロザノフが(トゥルソワと)仕事をしていた時、スケーティング技術は彼の担当でした。私は部分的に関わっていました。ステップの取り組みです。ドミトリー・ミハイロフは非常に優れた仕事をしました。私は全員がそれぞれの貢献をしたと信じています。しかしサーシャが彼女の問題を理解していなかった時は、以前には、何も起こりませんでした。今、この問題があるとは思いません。今彼女はきちんと滑ります。ステップをきちんと行います。全てのカウンター、ロッカーをやり、その他全てを…ループ、ツイズルなど。彼女は全てを完璧に演じています。私がただ申し上げたいのは、女子選手達が3回転ジャンプと共に滑る時、そしてトリプルアクセルがある選手は、こういうものは全く異なる負荷なのです。若しくは3つの4回転、これもまた完全に異なる集中力です。サーシャは練習の準備が出来ている…これが最も大切な事なんです。そしてこの練習により、彼女は既に変わったのだと示しています。振り付けと、スケーティング技術のどちらにおいても。私達は自分の弱点を知っています。しかしそれを伸ばしていくつもりです。

 

I︰根本的に、彼女はどう変わったのですか?

 

E︰彼女は本当に根本から変わりました。悦に浸る人々がどう言っても何でもいいです。彼らは、彼女は変わってないとか、更に悪くなったなどと言います。これは全くナンセンスです。フィギュアスケートのプロの人々は全てを見ています。彼らをごまかす事は不可能です。

 

I︰新しいプログラムを作っている間にトゥルソワが変化するターニングポイントがありましたか?

 

E︰いえ。私達はトレーニング課程を始めてから出来るだけ早く変更し始めたのです。すぐさまスケーティング技術に多く取り掛かり始めました。何故ならジャンプをする事は不可能ですから。誰でも長い休暇から戻った直後にジャンプをやり始めないでしょう。私達は基本的なストローキング・ステップに集中しました。スケーティング技術をやり始めたんです、スケーティング技術、スケーティング技術。サーシャは彼女のプログラムを沢山滑りました。

 

I︰貴方が彼女に何を確実に正しく伝えたいのか、難しかったですか?

 

E︰サーシャは全ての事を良く解釈します。全ては順調です。主要な事は彼女がやりたがっているということ。これはやりたくないとか、集中が出来ないようなアスリートはいます。でも彼女はやりたがっています。

 

I︰彼女自身がああいった女性らしさを欲したのですか?彼女は5回の4回転にいつも集中していましたから。

 

E︰彼女が創造的で甘くありたいと望んでも、4回転は何も出来ません。彼女の、実際の姿の事です。彼女は、まだとても若くて小さい、という常套句を言われていました。そうして彼女は4回転ジャンプのために切り取っていたのです。現在のショートプログラムの全てを見てください。これは甘く、穏やかな少女です。スケーター達は皆が違います。カミラ・ワリエワについては、彼女はたった14歳で、ただの子供です。彼女がどうスケートを続けていくのか見ていきましょう。ウサチェワはと言うと、彼女もまた子供です。16-17歳の時にどのように滑るのかを見ましょう。彼女達が同じように滑るのかどうか、は大きな疑問であります。あのように滑る事が出来るのだろうか…私には分かりません。彼女達は皆が可愛いらしく、とても良い。サーシャは甘く、優しい、穏やかな少女です。彼女は女性らしい滑りに挑んでいます。そしてこの"5回の4回転、それだけ"というのは、全て常套句なのです。彼女はその5回の4回転をやるでしょう。しかしスケーティングにおいてもまた成長しました。今は完全に違っています。1、2年前の彼女ではありません。私達の敵がどれほど厳しく彼女について「相変わらず、ぎこちないままだ」と言おうとも、私はそれは完全にナンセンスだと答えましょう。完全に、全く持って。プロフェッショナルである全ての人達は見ているのです。

 

I︰その敵とは誰ですか?

 

E︰そうですね、敵や反対者、に何の違いがありますでしょうか?分かる人には分かる事です。

 

I︰大抵の人は賞賛しています。

 

E︰賞賛。しかし賞賛していない人達もいます。

 

I︰モスクワのロシア・カップでのショートプログラムで、トゥルソワは75.77という点を取りました。対戦者達は80点と85点でした。あの土曜日の夜は不満がありましたか?

 

E︰勿論、私は怒っていました。何故ならば14歳の少女に6.0を与えるべきではないからです…もし旧採点で考えるのなら。今は10.00です。14歳の少女である子供に、そのような高得点を与えるのは不可能です。羽生結弦は10点を取りません。しかし彼はそれよりも優れた滑りをします。

 

I︰彼は10点を取ります。

 

E︰全ての競技会ではありません。

 

I︰カミラも同様です。年齢と関係が?

 

E︰そうです。未だそういった力強いスケーティングではないのです。カロリーナ・コストナーは10点を取りませんでした。

 

I︰カロリーナがその年齢の時には、ぎこちないと言われていました。

 

E︰私はシニアのスケーティングについて話しています。そして同時に14歳の少女を例えにあげています。子供は先験的に10点は取りません。ただ取れないんです。ええ、とても美しく素晴らしいスケーティングでした。それでも10点にはまだ到達していないのです。彼女は次に何を目指すのです?何もありません。14歳に10点を与えてはいけません。完全に無意味な事です。

 

I︰それは常套句です。彼女は天才的な子供です。

 

E︰誰がですか?

 

I︰ワリエワです。

 

E︰誰も彼女が酷いだなどと言っていません。当然、彼女は抜きん出ています。しかしもう一度説明しましょう。彼女は10点の滑りはしていない。プロフェッショナルな観点からすると、多くの事に欠陥が見つかります。

 

I︰10点があれば、彼女はおそらく90点を取っていたでしょう。しかし85点でした。

 

E︰それでも彼女は10点を与えられました。これ行われてはいけない事で、審判達はこれに同意するでしょう。あるアスリートを採点する時に、エッジやそこかしこに有るエラーに目をつむるのと、同じ事なのです。

 

I︰しかしサーシャはそうではないと?

 

E︰そうです。ウサチェワを例にあげると、彼女にはフルッツがあります。しかしどういう訳か、彼女はクリーンな外側のエッジと、+3GOEが与えられました。実際には内側のエッジでしたが。私は全員にとって全てが公平である審判を求めます。サーシャは(ショートプログラムで)2位に相応しかった。3位ではなく。サーシャは(首位のワリエワから)10点差をつけられるべきではなかった。皆さんが既にこれに同意してくれました。6点差はあったでしょう、でも10点差ではない。フリープログラムのために安全な緩和剤が作られたのだと理解しています。ただ上手くいかなかったようですが。

 

I︰その安全な緩和剤とは審判によって作られたのでしょうか?

 

E︰その通りです。

 

I︰それです。審判はトゥトゥベリーゼのグループに協力的ですか?

 

E︰私は、その事をまさに、言いさえもしましょう。でも私達が変えます。

 

I︰何故審判は貴方をそのように扱うのですか?

 

E︰私はまだ詳細を語りたいと思いません。全ての事がこの先にあります。私達の人生は長いのです。この辺で終わりにしましょう。

 

I︰指導者グループの経験値というものは、未だに論点になるものですか?

 

E︰経験値と指導者グループが何をしないといけないのですか?私はそのストーリーついても詳細を言いたくはありません。何が問題なのかは知っています。そして皆が完璧にこの事を理解しています。それから誰もが私の言った事を聞いたと思います。

 

I︰同じ競技会でエテリの隣に立っている時に、貴方がどう感じているのか、気になりました。

 

E︰大丈夫です。正直に言うと、彼女と指導スタッフに対して敬意を持って接しました。素晴らしい専門家達ですから、特にセルゲイ・ドゥダコフです。エテリ・トゥトゥベリーゼは素晴らしい指導者です。ダニイル・グレイヘンガウスは、ある場面においては、とても優れています。こういった人達というのは、多くの経験がある素晴らしい人達なのです。

 

I︰何故ドゥダコフを取り上げたのです?

 

E︰彼らは素晴らしい専門家です。私は彼らに対して悪い見解は持っていません。尊敬しています。優れていて、とても強いチームなのです。彼らはスケーターに与える全ての状態を持ち合わせています。アイスがあり、全ては良好です。私は誰とも喧嘩をしたりしませんでした。どこからもアスリートを誘ったりしていません。アスリートは自分自身でやって来ており、彼ら(トゥトゥベリーゼの指導スタッフ)は"プルシェンコが誘い出した、取った"などと言うのを止めることを理解しなければならない。これは(サンボ70)監督が言っていた事なのです。アスリートは自分自身でやって来た、この事を再度、全員に理解させなければなりません。彼らは何故この事が起きているのか、自分たちで解決するべきです。多分アスリートは私からも離れていくでしょう。もしこれが起きたなら、私はこう言います。「彼らは去ったのだ」と。

 

(続きます)

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1つのページにまとめようと思いましたが、結構長いので2回に分けます。ちょっとややこしい話が次から出てきますが、まぁロシアはこの話題が続きそうですね。その中で気持ちを切らさずに頑張る選手たち、まだ10代ですが凄いなと思います…。プルシェンコさんも同じ境遇を選手時代に過ごしてきたとは思いますが、例えインスタグラムは無くても凄まじかったはずで…。本当に強いなと思います。

続きます。