【アーカイブ】エフゲニア・メドベージェワ選手インタビュー。Golden SkateさんYouTubeチャンネルより。

Golden SkateさんYouTubeチャンネルより、

エフゲニア・メドベージェワ選手のインタビューです。Stars on Ice Canadaツアー中のインタビューです。

 

M→メドベージェワ選手

T→質問者。テッド・フレッドさん

 

https://youtu.be/4W9OeTsp9-w

 

T:テッド・フレッドです。エフゲニア・メドベデワが私達のメディアに参加してくれて、とても興奮しています!


M:こんにちは!


T:世界選手権の現銅メダリストで五輪の銀メダリスト、二度の世界チャンピオンである貴方は、今までのスターズ・オン・アイス(カナダ)の歴史の中で初めてのロシア人スケーターです。それについてどう思いますか?


M:その記事を初めて見た時は…ロシアとカナダは遠いですから…私が初めてのようですね。皆さんとはとても良くやれていると思います。皆がとてもフレンドリーで、一緒に時間を過ごせる事が嬉しいです。皆と楽しんでいます。


でも時々は、輪に入れないなと感じる事もあります。何かこう、変な感じがして、やりにくいな、と感じる時もあります。私の第一言語は英語ではないからです。時々皆が何を話しているか分からなかったり、ジョークが分からなかったりとか。その他の事も。そういった事はやはりとても大変です。

私にとっては、ジョークなのかそれとも違うのか、全然分からない事があります。でも全体的には、カナダのスケーター達と一緒にいられるのは、とても良い経験です。友達もたくさん出来たし。いい感じ!

 

T:カート・ブラウニングはすごく面白い人ですよね。彼のユーモアが一番よく分からない事だったりします?


M:私が言ったのはその…一般的なユーモアの事ではなくて、色々なジョークに関してです。そのジョークが本当に分からないんです。だから私は時々、あはは…って。


T:嘘の笑顔を作るんだね(笑)


M:そうそう(笑)分かったような感じに嘘でも見せるんですが、分かってないんです(笑)


T:貴方は殆ど1年間、トロントで練習を詰んできましたが、カナダの色々な場所を見る機会を得たのは、このツアーが初めてですか?


M:はい。その通りです。私がトロントに来るまでは、カナダには一度だけしか来たことがなくて…ミシサガ…でした?


T:そうですね。スケートカナダですね。2016年だ。貴方が優勝しました。


M:はい(笑)ありがとう(笑)

今私はカナダ中の場所を回っています。12の都市ですよ。素晴らしいです。私はスケーター達と一緒にショーに参加して、楽しみながら国中を見て回るのは夢でした。最高です。


T:貴方はアリアナ・グランデの曲で滑りますね。私達から見ると、競技の期間や貴方のプログラムからの新たな旅立ちのようにも見えます。すぐに選べましたか?


M:はい、もう、すぐに決まりました。その、私はアリアナの大ファンなんです。素晴らしいでしょう。彼女の音楽やスタイル、全て。とても可愛いし。彼女はすごく小柄ですよね。そしてとても勤勉です。ステージの彼女を見たら、どれほど彼女が一生懸命仕事をしているか分かります、どんな時でも。彼女の歌も映像も大好きですよ。衣装も…。選ばない理由があって?


T:衣装デザインなんかも関わるんですか?


M:なんで皆さん私の衣装をそんな気にするんですか!(笑)


T:ほら、すごく明るいピンクで。


M:ピンクでとっても鮮やか!カッコイイでしょ!ハーフトップとハイウェストのスカートですよ。何の問題もないでしょ!


T:いい感じだよ!少し先シーズンの事を振り返りましょうか。たくさんの変化がありましたね。初めて五輪の次のシーズンで。

貴方にとって、最も学んだレッスンは何だったのか、教えてくれますか?


M:たくさんの事を学びました。先シーズンはとても大切なシーズンとなりました。私個人の、1人の人としてです。五輪シーズンよりもね。去年の1年間は、たくさんの事を経験してきました。

去年の1月から12月まで、という意味での1年間です。私の人生において最高に輝いた時があって、それからコーチを変更して、ライフスタイルも変わりました。全てが変わったんです。

これは素晴らしい経験です。私には全ての事を耐え抜いて行く事が、本当に重要な事でした。その中には、自分自身にガッカリしてしまうような瞬間もありました。そういう時は、自分に対して酷い気分になりました。そして鏡を見た時、私は自分が大嫌いだったのです。私は自分が本当にやりたい事が、何も出来ないと思ったからです。

でも毎日リンクへ行ってたくさん練習して、栄養を取って、回復して、そういう全てのことをやりました。今は、自分に自信を持っています。もしまた同じような辛い時期が来たとしたら、私はまたやり遂げるでしょう。

今は怪我があって回復の途中で、とても辛い時期です。今年があまり良くない状態で終わってしまったので。

でも、また出来るという自信があります。私は去年を乗り越えたのですから、何故私に出来ない事があるでしょうか。

 

T:貴方の今までの成績や素晴らしいスケートを知っている人々は、驚いていました。貴方が自信を亡くしたり、苦しんでいる姿を見たので。そういう時に、何と自分に言い聞かせますか?良い精神状態に戻るために。

例えば、世界選手権で表彰台にまた戻った時などは?


M:そうですね…私は1度もスケートを終わらせようと思った事はありません。引退を考えた事はありませんでした。


T:誰かがそう勧めたりしました?


M:たくさんのヘイター達ですね!たくさんの!(投げキッス😘)


T:傷つきましたか?


M:最初はそうでした。「何故私が?」って。でも今は、私の人生は私のもの、と。私はやりたい事は何でも出来ます。過激な衣装を着たりとかもね。全身ピンクでも出来ますよ。

誰も私にやる事を言ったり出来ないんです。

私は自分が尊敬している人々の言葉を聞きます。コーチや友人、家族。私を成長させてくれる人達です。

でも私を陥れようとする人の言葉は聞きません。それは無駄な事で、私の将来にも良くないですから。その事を自分が理解できた事が嬉しいです。

私が自分自身に何か言ったかというのは…特に言ったりはしませんでした。ただ行動したのです。ジムに1時間行って、午後の練習へ行って1日練習して。私の身体は弱いと分かっているので、毎日特訓です。それだけです。


M:世界選手権では、何かこう、鏡の中の人物を見ているような感じでしたね。私が全て望んだ通りではなかったのですが。ただ、或る人の始まりを見たような感じでした。私を奮い立たせてくれて、自信を持つことができました。


T:貴方のシーズンの最初は、グランプリファイナルに行けなかったりして苦しみました。それはどのくらいの驚きでしたか?落ち込んだり、後退したような事というのは?


M:それを「驚き」と言うのなら、それは馬鹿げた事です。驚いたりはしませんでした。良い状態でないことは分かっていたので、ファイナルへ行けないと感じていました。

ただ、そこで少し立ち止まった事は、私にとって良い事でした。ナショナルへ向けて自分を追い込みましたし、私の身体的な状態はとても良かったんです。でも、精神衛生的にはあまり良くありませんでした。精神的に準備が出来ていなかったのです。

それからロシアカップで2度目の世界選手権の出場の機会がありました。そこでは良かったです。身体的にも。


T:すごく緊張しましたか?


M:ロシアカップではしませんでした。それまでの全ての試合で…ナショナルでも既に負けていたので。ただ行って、自分の仕事をするだけでした。全て出来ることを力を込めてやりました。例え負けても、失敗しても、今は全てのパワーをこの瞬間に使う、という感じでした。それだけです。

順位は気にせず、出場権も気にせず、ただ私が出来ることを証明したかったのです。そして、やり遂げました。


T:ナショナルでは、ロシアのファンの貴方への応援がとても力強かったですね。ストリーミングで見ていても分かりましたが、本当に素晴らしかった。ロシアへ帰って、貴方の苦しみは別として、どう感じましたか?


M:私とブライアンにとって、特にショートプログラムは本当にショックでした。私たちが期待していなかったものでした。私達はもっと静かだと思っていたんですけれど…。

ショートは本当に酷かったです。本当に。なんと言うか…とにかく酷かったです。

でも観客の皆さんはとても応援してくれて、ブライアンも「一体どうしたらこんな事が起きるのか?」という感じでした。彼もあのような事を、それまでの人生で見た事がなかったのです。本当に素敵な事でした。それから私は、自分を信頼し始めました。自分を信じられたのです。それで、フリープログラムは私にとって、もっと簡単なものとなりました。

 

T:貴方はショートプログラムをシーズンの途中で変更しましたよね。最初の頃はナタリー・コールの曲で、貴方にとってはかなり違った感じの曲です。それから、トスカへ変更。何故そう決断したのですか?


M:シーズン始めの頃の私の目標は、「自分自身を変える事」でした。殆ど全ての事を、変える事です。それが私がより良いと感じる方法でした。私はとてもたくさんのプレッシャーを感じていたからです。

なんて言ったらいいのか…恋人と別れた女性が髪を短く切るとか、あるでしょう?まさにそういう感じでした。私は前髪を作りましたね。今はすごく伸びたんですけどね。

今は、私はとても調子がいいと言えます。幸せです。1人の人として…人生が、という事です。


T:トスカの方がやりやすかったですか?ナタリー・コールよりも。


M:はい。その通りです。


T:そういう計画は元々あったんですか?


M:いいえ。違います。


T:我々は貴方にとって音楽がどれほど大切か知っています。貴方は音楽にとても時間を費やして、よく聴いていますね。来シーズンの曲はもう考えていますか?


M:ショートプログラムは、ミューズのエクソジェネシスです。フリープログラムはメモリーズ・オブ・ゲイシャです。どちらも私が決めました。2曲とも、3年ほど前から考えていたものです。


M:(以前は)エクソジェネシスには、技術的に準備不足でした。スケーティングにおいて、という意味ですが。メモリーズ・オブ・ゲイシャに関しては、精神的に十分な年齢を重ねていませんでしたね。


T:他のスケーターで、その2曲を使って滑った選手がいます。その演技を見た事がありますか?それとも、全く新しいものを作りたいですか?


M:今のフィギュアスケートでは、全く新しいものを作るというのは不可能な…不可能に近いと言えます。まぁ…5回転とかがまだありますけど、よく分かりませんが(笑)

ただ私は、私個人の新しいものを作りたいのです。曲のストーリーを変えたりだとかはせずに。私の持つ感情と共に、スケートをしたいと願っています。


T:最後の質問です。来シーズンはブライアンとトレイシーと一緒に取り組む、2シーズン目となります。彼らは貴方にとってどのような意味合いを持つのか教えてもらえますか?そして、彼らとの仕事で、来シーズンに楽しみな事は何でしょうか?


M:例えば昨日ですが。私は今トロントにいます。家にずっといて、夜まで起きていたりとかしたんです。それで昨日は私はクリケットクラブに数時間いて、ブライアンとトレイシーと話しました。ただ会いに行ったんです。トレイシーは私に会えてとても嬉しそうでした。ブライアンは、ショーで旅していましたしね。

 

彼らが私にとってどのような意味合いかと言うと…全てフィギュアスケートの事です。とにかく支えてくれます。私は全てのことに関して、彼らが支えてくれると分かっています。曲の決断さえもです。彼らは私が前進するのを助けてくれます。どれだけの事でも、出来るだけ力を尽くしてくれるのです。


T:ありがとう!ショーを楽しんで下さいね。来シーズンも幸運を祈っていますよ。

 

終。