【アーカイブ】米国のChamps Camp2019でのトーク。

長文です。

米国の代表合宿でちょっとしたトークショーがあり、その動画が上がっていたので、訳してみました。

 

A→司会のアシュリー・ワグナーさん

M→ミライ・ナガスさん

V→ヴィンセント・ジョウさん

 

https://usfigu.re/2J9C5Ny

 

A:こんにちは。アシュリー・ワグナーです。私は3度のナショナルチャンピオン、世界選手権銀メダリスト、そして五輪チーム戦の銅メダリストです。私は今日ここでトークが出来る事が嬉しいです。少しこちらで座談会をしたいと思います。ここにいる、卓越したアスリートたちと共に。彼らはキャリアの中で素晴らしい事を成し遂げてきました。


まずミライ・ナガスを紹介します。米国の女子選手として初めて3Aを五輪で成功させました。素晴らしいです!

彼女はナショナルチャンピオンであり、五輪のチーム戦の銅メダリストです。応援してるよ!


M:ありがとう。

 

A:そしてヴィンセントです。現在の世界選手権の銅メダリストですよ!

彼はまた四大陸選手権の銅メダリストであり、五輪で初めて4回転ルッツを降りたアスリートです。この2人はとっても素晴らしいですね!

拍手が静かになってきた所で、座って話しましょう。私はとても緊張してるんだけど、二人とも我慢して聞いてね。感動させちゃうかもしれないけど。

下手なジョークに笑ってくれてありがとう。


ミライ、まず貴方を2つの言葉で表す時に、

最も適した言葉は、「粘り強さ」と「穏やかな人格」です。聞きたいのは、2014年の辛い悲しみがあった後に、怪我もあり、貴方は良い成績を残しましたが、貴方が望んだものとは、かなり違いました。私は貴方の事を完全に別のアスリートに変わったと見ていました。

そのシーズンから始まって2018年まで、何が貴方を変えたのでしょう?

どうやって貴方の過ごしたキャリアの中で、変わったのでしょうか。勢いを取り戻したり、五輪チームへ入るために背中を押したものとは?


M:まず最初の質問の答えとしては、私は酷い状態で、変化は即座には起きませんでした。私がよく覚えている事は、ある日トムコーチに言った事で、「分からない…」って。

試合ですごく悪くて、でも練習では上手く行っていたんです。それでトムに、「私はもう試合をしたいと思いません」と。彼は私がまるでおかしくなったんじゃないか、という様子で見ていました。

「どういう意味だい?君は今までの人生でずっとスケートをしてきたじゃないか」と言って。

私はこう言いました。

「分かりません。試合に出ていくと、とても怖くて。何がやりたいのか分からない、何をしたかったのか、さえも。」と。

そしてスケート靴を履いたら、私はどうやって靴紐を結ぶかも分からなくて。これはいけない、とりあえず止まろう、となりました。そして何が起きているのか理解しようとしました。

それはすぐに起きた事ではないんです。でも、1つ1つやっていくような事もなかったです。

それはまるで、代数学という感じでしたね。私は微分積分が得意では無いから、それぞれの問題に良さそうな解決策をやっていって、上手く行き始めるかを見ていたのです。


A:どうやって上手く行き始めたのか、見極めたの?私も計算とか苦手だから。


M:まぁ、2+2は4だよ。


A:あはは。いや、本当に貴方達はどうやって理解し始めたの?何か初めから取り組むとなると、どこから始めたらいいのかとか…。何かを変えたいと思っていても、実際にどうすればいいか分からない事があるでしょう。そういう時に、どうやって方法を探し出しますか?


M:そうですね…分からないけど…私が分かっている事は、トムに本当に信頼を置いていた事です。私は教育からかなり離れた人ですから、トムは毎日の予定表を持ってきて、「君は今日2回ショートプログラムをやりなさい」とか言うんです。私が、それが出来ると感じていない時でも。

トムは、「必ずやりなさい。それは解決策の一部だから」と言います。その事が私の行動に責任感を持たせて行きました。何故なら、これからどうなっていくのか、次に何が起きて行くのか、分かったからです。それは私をとても助けてくれましたね。

私のコーチは全ての事に効果的なものを加えて、私が信頼できる計画を作ってくれました。どうしてかと言うと、私が到達したいと思う所まで行けるような、そういう1つ1つの段階が見えたからです。

私は辛くて泣いていました。それはなんと言うか、

「今日はついてない日で、3回フリープログラムをやらないといけない」とかではなくて。「今日はあまり調子が良くないけど、でも練習をしなければ」という事が苦しくて泣いたりしていたんです。

 

A:全て計算されていたわけですね。どの段階においても、到達するためのものであり、理由があるのだと信じる事が出来たのですね。全体的に見ても?


M:そうです。


A:素晴らしいですね。

では、ヴィンセント。貴方の番ですよ。私はシーズンのコメントをする仕事を通して、貴方のキャリアに親しみを感じるようになりました。

大きな波のように揺れ動くのを感じます。私もキャリアを通して2つのプログラムを揃える事が出来なくて苦しんだから。必要な時に、上手くいかなかった。

 

A:貴方は五輪で立ち直って、人生最高の演技をしました。そして6位で終えましたね。それから今シーズンになって、あと少しなんだけど、なかなか出来ずにいる事がありました。それでも、この前の世界選手権では、2つのプログラムをプレッシャーがある中でやり遂げました。

どのように出来たのでしょうか?プレッシャーのある中で、2つのプログラムを合わせてくる事が出来たというのは、何が助けになりましたか?


V:僕が思う事は、とにかく一歩ずつ進む事です。トレーニングで2つのプログラムをやった後に…トレーニングで上手く行った後というのは、どれたけ自分にまだ上手くなれる余地があるのか、が分かり始めます。

シーズン始めの頃に、そういう自信を持つ事は難しいです。何故なら僕達はプログラムを長い間練習して、成長させて、それに慣れていかないといけませんから。

シーズンの始めの頃は、試合において、良いプログラムの筋肉の記憶を得る事が難しいのです。

 

でもシーズンが終わりに近づくにつれて、僕はミスなくプログラムを何度も出来て、自分の可能性に自信を持てるようになります。

ショートの前には、とても集中していました。やるべき行程を繰り返す事に、です。それは練習の時にクリーンに滑ることを助けてくれたものでした。

そしてショートが終わり、自分の考えを補足する事をしました。

「OK、明日はこれをやらなければ、そして、これをやらなければ」と。それらの事を、やめたりしないように。


僕はそういうやり方をする傾向があります。でも今まで競技をやって来て…そんなに長く国際試合に出てきたわけではありませんが。それでも、その期間を通して色々学びました。

様々な作業をそれぞれに分けて、そして自分の仕事をするという事です。

シーズン最後に向かっていく頃に、僕は、自分の正確な作業に集中するように、調整していました。

何をしなければならないのか…全ての要素へ向かっていくこと、重要な鍵となる言葉や自分の考えを聞くこと、自分の身体の中で新しく修正した部分を感じること、全てのジャンプ、ステップ、全ての要素を実施すること、です。


A:なるほど。貴方は補足しながら1歩ずつ上がって行ったんですね。OK、いいですね。

 

A:別の質問へ移りますね。

ヴィンセント、私は貴方の毎日のトレーニングにとても興味があります。何故なら貴方のプログラムは技術的にとても多くの事を要求されるものですから。2つのプログラムが、どちらもね。本当に限界に挑んでいます。

その他に、貴方はセカンドマークにも非常に取り組んでいます。貴方の個性をもっと引き出す事や、ステップと繋がる事。

こういった非常に小さな詳細の部分は、とてもエネルギーを使います。そして効果的でもあります。


このステージでは、貴方はシニアの男子選手です。それは全て4回転が関わってきます。皆が4回転を跳びますから。それは脆い部分でもあります。どの選手も試合に出て行ったら、何かを感じるでしょう。スケートをして、出来るだけの4回転を跳ばないといけません。

それで、毎日のトレーニングでどのように準備をしていますか、こういった高い技術を要求されるフリースケートをやるには。自分の心に火をつける事や、細かい小さな部分に気をつけたりもしますか?


V:とても複雑な質問ですね。うん…。

僕が「セカンドマークの成長」という面で配慮する事というと、僕の願望への大きな影響です。4回転を跳ぶ子ども、というのが自分自身の最上級ではなく、むしろポテンシャルを持つ事です。その先に、4回転だけではないという将来が来るように。


特にシーズン後半には、毎日のトレーニングで自分を追い込んでいました。そのトレーニングでジャンプ以外の事に、もっと力を注ぎました。そういう作業をしている人達は、たくさん補わなければいけない事があります。外側から、誰かに協力してもらって、です。

 

2つの良い感情的なプログラムは、人に何かを感じさせます。それは全て、心の深い部分から来るものです。スケートの経験とか、苦しんだシーズン…自らが作り出した苦しみと共にあったシーズン等です。それらは全て、素晴らしい演技をする事で表れます。


ですから僕が思うに、何か挑戦をしている際に、多くの努力をする事が、最高の結果に繋がるという事です。そのために毎日の練習で全ての力を注いで…試合に行ってから、しっかり出来るような状態にしておく事です。

 


A:そうですね。貴方はどんな事に直面していて、到達するために何をすべきなのか、理解しているという事ですね。

 

V:はい。いつも長いトンネルの先に光が見えた時には、常に定期的に何かに努力するのです。それこそが自分が成長する事を可能にします。ただ単に自分のスケートをより快適に出来るようにするのではなく、毎日快適なリズムで出来るように調節するのです。


それはスケートだけの事ではなく、一般的にも言えます。生活というのは、常に快適でいるようにする事ですよね。

そのために、その瞬間は自分の限界を超える努力をします。僕はそういう事をシーズン終わりへ向けてやっていました。


A:素晴らしい。

 

A:OK、ミライ。私は3Aの事について話したいです。女子フィギュアにおいては、私達は全員が同じジャンプを跳びます。3Aを跳ぶ事は、その競技者たちから離れて、非常に大きい有利な点となり、他の女子選手たちを超えるものです。

まず初めに、何がきっかけでそういう選手になろうという考えが、貴方の中に出てきましたか?


M:私が本当に若い頃、私は浅田真央を見て育ちました。それが確かな事で、浅田真央は私にとって堅固な手本となる人です。彼女は私の憧れですから。

何故なら彼女は日本人ですし。(Japanese Americanと言ってましたが、日本人としました。)

 

私が13歳の時でさえ、3Aをごまかしてやっていたら顔から転んでいました。私は3Aを練習してたんですよ。ただそれをやりたかったんです。例えそのジャンプを跳ぶ可能性は無くても、ただ楽しみとして。


新しい事への挑戦です。私はキャロライン・ザンやエリー・カワムラ等の時代に育ちましたから。その当時は日曜日に開いてるリンクが1つしかなくて、私達はそのリンクにいつも集まっていました。

日曜日には私はスピンの練習をしていました。そして、グループとしてお互い競い合うのが楽しかったんです。新しいスピンをお互いやるんですね。そういう事からパールスピンが生まれました。

 

少女たちというのは、小さな事が彼女たちを押し上げてくれます。私が成長していくにつれ、新しい技をする事から少し離れて、他の事に取り組み始めました…私の感情とか。私には新しいジャンプをどこかに取っておくような時間はありませんでしたから。

それに私が成長していた頃には、引っ張りあげるハーネスとかは無かったんです。ただこう、真っ直ぐな線のハーネスしか無くて。


A:あれすっごく恐ろしいよね。あれでジャンプができなかった人は、誰でも怖くなりますよ。


M:そう。私達の頃は(氷上に)青い線が描いてあるだけだったんですよ、ジャンプを降りるための。それを使って3Aはやった事なくて…あ、実はやった事があるんですが、あんまり良くなかったんです。

円を描くべきジャンプなのに、直線でやってしまうと、あまり良い感覚はありません。ただ私は、技術がどれだけ進化した事かと…そういった多くのジャンプをもっと安全に出来るのです。


それと、私は自分に誇りを持っています。五輪までの練習で、私だけがあんな酷い転倒をしていた事に。私はただ非常に大きな試合でそのジャンプを降りたかったからです。例え五輪へ行けるかどうか分からなくても、喜びを感じてやっていました。

ただ、分かりませんでしたよ。私が五輪へ行けるかどうか、という事は。でも例え行けても行けなくても、私は出来る事を全てやりたかったんです。それで、私はまるで必死の形相で毎日練習していました。全ての努力をしました、何か大きな事を成し遂げるために。

 

そして五輪の舞台から戻ってきて、全ての少女たちが3Aに挑んでいる姿を見たのです。

ある少女は私の所に来てこう言いました。

「私の3Aはまだ悪い出来ですが、やりたいです。貴方が五輪で3Aを跳ぶ姿を見たから。」と。それは私にとって本当に素晴らしい事でした。

 

A:私は3Aには挑戦しないけれど、でも…


M:多分、4回転とか?


A:そうだね。私の3回転を見たことある?


M:ほら、持ち上げるハーネスがあるよ。


A:私は直線の方が好きだよ、ありがと(笑)


A:それでは…私はいつも3F3Tをやっていました。それが私の大きな得点源で、いつも「神様お願いしまーす」って感じでした。

貴方は2018年のシーズンを戦いましたね。そして五輪のチーム戦で、物凄いプレッシャーが貴方の肩にのしかかっていました。そのシーズンというのは、貴方は少し、山あり谷ありというか、波がありました。

でも貴方は見事に決めましたね。とてつもないプレッシャーがありながらも。そのチーム戦で3Aをやる事に価値があるかどうか、どのように決めましたか?


M:私は五輪で3Aをやる事に関して、確信を得ることは出来ませんでした。

それは……あー、今の状態が3Aへと向かう時みたいな感じですね。もし私の五輪のチーム戦での演技を見ると分かりますが、私はまるで3Aをどう跳んだらいいか分からないような顔をしていました。

実際私はそうだったんです、足でつまづいたりして。それで私は「どうしよう、どう滑るのか分からない…」って。


A:実は足をひねってたよね?


M:そう。ひねった。


A:もう私それを見て、ちょっとちょっと!大丈夫かな?って…


M:私が壁に向かってつまづいた時に、

「やだ、こんな風につまづくつもり?」って思いました。それが私の考えを変えてくれました。それはハッキリと覚えてます。そして私は言ったんです。「いや、違う違う。これは私が向かって行こうとしていたものではない」と。

 

それで3Aに行く時というのは、完全に落ち着いていました。そのジャンプを降りた時には、私はその瞬間の気持ちは覚えていないんです。ただ私の筋肉の記憶でやり通したんですね。

皆がクレイジーに叫んだりしてるのを見たのは覚えてます。ジャンプを跳んで、それから「ああ…私はまだ残りのプログラムをやらないと…」と思いました。それが私が直後に思ったことです。

何かまるで海のようなものですね。習ってきた事をやって、そしてまた落ち着いて。(海の波が来て、戻っていくとまた静かになるような)


これは私の五輪での1番大好きなストーリーなんですけど、私が最後の3ループへ向かう時なんですが。

皆さん最後のジャンプが一番キツいものだと分かりますよね。それまでのプログラムが上手くいっていても、悪かったとしても、脚はまるで赤レンガみたいなんです。


A:私理解できないよ…3ループが最後のジャンプですって?


M:私の一番大好きなジャンプだもの。


A:私もそうだけど、私のプログラムで最後に見る事はないでしょうね。


M:ポイントを積み重ねようとしてたから。

私はとにかく、キツかったです。もう身体が疲弊していて。

それでコーナーから出た時に、よく覚えてるんですが応援席がボードのすぐ傍にあったんです。それで、アレクサ(・シメカ・クリエリム)が叫んだ声が聞こえました。

「やった!出来たね!」って。

それで私の頭の中では「あらら…まだ要素がもう1つ残っているって事を、彼女は知らないんだ」と思いました。

(笑)彼女は私がチームのためにやり遂げたと思ったんですよ。それで私、笑ってしまったんです。「彼女は気づいてさえいないよ」って。でもそれが私の考えを変えてくれました。

実はそれこそ私がその瞬間に必要なものだったんです。リフレッシュさせてくれるものでした。何故なら私はその先の事を心配するのをやめたんです。アレクサの言った事に笑ってしまっていましたから。

そして私は最後のジャンプも降りたんです。その瞬間は、本当にもう、とても報われたような感じでした。私達は皆が仲間ですから。

時々私はその事を思い出します。何かを成し遂げた時の事を。

後から、アレクサは私の所に来て、「私の声、聞こえた?」って言ったんです。だから私は「うん、聞こえたよ」って言いました(笑)


A:私はあのプログラムが、純粋に私の1番お気に入りの「ミライの瞬間」ですよ。貴方の歴史の中でね。私はあのプログラムを選びます。そこには「何か」がありましたから。大好き。


M:ありがとう。


A:どういたしまして。本当にそう思ってるんだよ。

 

では、ヴィンセント。貴方は五輪の歴史を作りました。初めて五輪で4回転ルッツに成功しましたね。最初の質問は、試合で出ていく時に、歴史を作る機会があるという事に、気づいていましたか?


V:僕は実際気づいていました。もし降りたら、僕が初めての選手になると言う事に。あまり考えないようにはしていましたけれど。

何故なら、つまり、もし僕がたった1つの要素にだけ集中したら、その他のプログラムを壊してしまいます。僕はただ…最初の頃に話した通り、筋肉の記憶が僕をプログラムの最後までやり通せるようにしました。自分の仕事に集中して。

その後で…その後にね!

「ねぇ、実はあの演技が、五輪で初めて4回転ルッツを降りたものだったんだ!」って思ったんだ!それってすっごくクールだよ。

 

A:それは私が今までの人生で聞いた中でも、まさに「最高のヴィンセントの日」ですね。ほんと、クールだね!


V:(照れならがら)でも、さっき言った通り、僕がやった事は全て、滑走順によるものですよ。


A:私はそんな事を貴方にさせるつもりはないよ!状況をコントロールするとかね。


M:謙遜しちゃって(笑)

(と、ヴィンセントの肩をポンポンする)


V:(照れならがらミライちゃんの手を払う)


A:彼って本当に控えめだよ。私は貴方に賞を何個もあげ続けますよ。

 

 

A:それでは、私は、誇りを持って言うけれど、私はアンダーローテーションに苦しんでいました…全キャリアを通して、ずっと。

そして、私は貴方を本当に称賛します。アンダーローテーションというのは、カメラアングルだとか、テクニカルパネル次第のもの、の1つですから。それはジャンプの神様が「今日はこういう日になります」と言うことにより変わります。


私が感じるのは、貴方は不条理なコールにずっと苦しんできました。それは精神的により厳しい状態にさせます。試合に行ったら、全てのジャンプを、より厳しく細かく見られる事になるだろうと。ミスを探そうというように。

私もそれに苦しみました、キャリア中ずっとです。なんて事だろう、私はめちゃくちゃ完璧にやらないといけない、ちゃんと点数をつけてもらうために、てね。

どうやって毎日の練習をやり通していましたか?練習拠点に戻って、出来るだけクリーンにジャンプを跳ぶために、どうしていましたか?


V:よくあることですが、何かが頭の中の考えを捉え始めると…例えばもっと良くやらなきゃとか、証明しなきゃとか…。

そうすると、しばしば人は1つの事をやり続けます。たとえ成長したいと思っていても、そうじゃなくても。意識的に何かがあり続けます。良くしようとする事で、何かが行き詰まってしまいます。


僕は五輪のジャンプはなかなか良かったと思います。でも五輪の全体的な演技を見て、それから世界選手権や国別対抗戦の演技を見ると、大きな違いが分かるんです。正確なジャンプを学んだ事によるものです。


それと、僕は完全に貴方が言った事に同意します。その…ジャンプの神様が、全てを…ていう話です。アンダーローテーションは本当に、物凄く、物凄く主観的なものです。それは自分自身に精神的な苦しみを作り出すだけではなく、他の人々にも作り出します。試合を全て見て、ジャッジしたりする人々の事です。


貴方が先程言いましたが、彼らは全てのジャンプの着氷を厳しく細かく見て、何か言い訳をするような事を探します。ただ、それは僕を落ち込ませたりはしませんでした。

僕は「OK、彼らは僕にアンダーローテーションを与えたがっている。僕は証明してやらなければ。あれはアンダーローテーションではなかったんだ。」とね。

 

主にやる事は、一生懸命練習する事です。そしてジャンプをもっと上達させるのです。どうなったかって?僕はそれをやりましたよ。

最も大きな事というのは、技術的に変える事ではありませんでした。ただ、もっともっと頑張るだけです。ジャンプを誤魔化す、とかじゃなくて。

時間が経って、僕はジャンプが上達した事に気づきました。もっと着氷に労力を使って、小さな部分の技術的変化を、もっと僕にとって普通の事になるようにしました。

そして一度その新しいレベルが普通の事になったら、その時はもっと良くなるように頑張り始めます。


何故なら一般的にスポーツというのは、スケートは特にそうですが、学習曲線は終わることはありません。いったん現在の地点に到達すれば、常にそこから向上しようとします。

僕も一度4回転ルッツを跳んだら、今度はクールな事をやろうとします。両腕を上げるとか…国別対抗戦でやったみたいに。


A:きっと出来るよ。それをやりたいなら…

え、試合でやったの?すごい!


V:たとえ僕が、ある試合でなんとか上手く上達したジャンプを出来たとしても、まだ十分な良さではなかったんです。まだ上手くなりたいと思うんです。


その…殆ど全てのインタビューなんかで、

「ジャンプの回転不足についてどう思いますか?」

「ジャンプの回転不足についてどう思いますか?」

って聞かれるんですよ!

僕はSNSで、僕の「誤魔化したジャンプ」を見ずにスクロールすることが出来ないんです。そうでしょう?

それは僕に「もっと上手くなりたい」と思わせますよ。打ちのめされたりしない。僕はそれを毎日の練習へ駆り立てる情熱、炎のような物として使います。


僕はスポーツをやるという事は…これは少し大きな範囲になりますが、僕はスポーツで成長する事というのは、個人的に情熱を持つという事だと思います。その他の全てのこと以上に、です。


A:そうですね。同意します。

 

 

A:それでは、まとめに入ります。が、その前にミライ、貴方はこのトークが始まる前に少し私に言った事がありますね。皆さんに伝えたい事がある、と。「ハングリーでいる事」について。


M:はい。私は昔々から、信じ難い事に多くのスピーチをこうして座って聞いて来ました。それは時々聞くのが大変な事もありましたが。

私が聞いたものは、「もし貴方に夢があって、それを信じられるなら、貴方はやり遂げる事が出来るでしょう」というものです。


私の場合だけではなく、私達の世代は問題をオープンにして、向き合ってきました。

それはつまり…私はミシェル・クワンが大好きです。でも彼女が3Aの練習の工程を言うとは思いません。そしてヴィンセントがまさに言ったように、常に私達には伸びしろがあるんです。皆さんは常にハングリーでいないといけません。


スポーツの美しい所の1つとしては、定期的に進化していて、ルールが変わっていきます。

私、実はKBC7をネットで見たんです。スポーツの試合をやっていて、私は野球を見ました。「うわぁ…1イニングって凄く長いな」と思いました。

私はスケートが大好きなんです。何故ならルールがいつも変わるからです。ルール変更があれば、アスリートも変わらなければいけません。

ハングリーでいることです。定期的に自分自身を成長させないといけないのです。

ええ、くたびれてしまいますよ。終わらない戦いに奮闘するわけですから。それが人々を進化させる道筋なのです。

私達はまるで蛇のようにやって来たものを蝶へと変える、テイラー・スウィフトのようになりたいものです。つまり、常に伸びしろがあるという事です。


A:素晴らしい。そして素晴らしい観客の皆さんにも感謝を申し上げます。ここChamps Campで素敵な経験がある事を願います。

それと、もう一度この2人のヒストリー・メイカーに歓声をお願いします!