浅田真央さん、無良崇人さんのサンクスツアーでのインタビュー。

 

浅田真央さんのサンクスツアーが再開されたので、今回はそのツアー中のインタビューの記事を訳してみました。

元記事は

こちら  

アブソルートスケーティングさんのページにあったもので、ウィルスが日本でも大変な事になる少し前に取材されたものと思われ、サイトに掲載されたのは2020年4月になっています。ツアーの内容も載っていますが、インタビューのみ抜粋しました。

浅田真央さんと無良崇人さんのインタビューになります。

 

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浅田真央サンクスツアー、長野公演】

浅田真央は引退後に戸惑いがあった。何をするべきか、分からなかったのだ。しかし最終的に彼女は自分の道を見つけた。サンクスツアー!彼女はこのツアーをスケート人生の最高潮だと見ていた。

このツアーは2018年5月、新潟アサヒ・アイスアレックス・アリーナから始まった。そこは地元の、小さなアイスリンクだ。真央は幾つかの理由から小さいリンクを使うと決めていた。設営時間の短さ…大きな会場ではアイスリンク設営のために大抵は5日間と、大きなコストがかかる。彼女は沢山の人に可能な限り、来る事が出来るように、ショーを楽しんでもらいたいと思ったのだ。コアなファンだけではなく。彼女はチケットの値段を入手可能なレベルに設定しようとした。一定数のチケットを、ショーが開催される場所の地域のみでプレセールをする準備を行った。地域の人々にチケット購入が容易にできるようにするためだ。今の所、彼女は日本で150公演以上を実施した。そしてツアー終了を前にもう1年続ける事になったのだ。

 

(中略)

●インタビュー(I→質問者、M→浅田真央さん、T→無良崇人さん)

 

浅田真央

I︰これは貴方にとってツアー3年目となります。その事を今はどう感じますか?

 

M︰最初の年は、何も無いところから全部を1つにしました。ショーを作る事について何も知りませんでした。でも私が理解する前にその1年は過ぎ去っていきました。2年目継続を夢見た事すら無かった時から、私はとても幸せで、ショーに何かしら付け加えたりしたんです。私が使っていたプログラムでしたから。そして今は3年目で、ツアー最後の年です。全ての経験に喜びを感じながらスケートをしています。

 

I︰3年目に特定のコンセプトなどはありますか?

 

M︰そうですね。私達は音楽の順番は変えていませんが、衣装や構成を少し変えました。でも日に日に進化しています。

 

I︰ツアー4年目というのはやりませんか?それから、海外でやるというのは?

 

M︰いいえ、4年目はやりません。それでも、モンゴルに演技をするために行く予定です。私達のスケーターの1人、ガンスフ・マラル・エレデンの出身地だからです。今はスケジュールの調整中です。その他の海外での演技については、もしオファーがあれば私達は喜んで考慮します。

 

I︰私は、貴方が震災のあった地域に住む聴覚障害、身体障害のある子供達と一緒にタップダンスをやるビデオを見ました。チャリティーの仕事というのは、貴方の心根に合っているように見えます。そういった活動の予定は?

 

M︰私に出来る事は積極的に取り組みたいと思っています。

(彼女のマネージャーより。真央がパラ・アスリート達を支援し始めて3年になるそうだ。)

そして私達の国、日本は地震が多いですから、被害にあった地域へ行って、そこの人達に会いたいです。何かエネルギーを与える事が出来たら、とても幸せです。

 

I︰このツアーのスケーター達は、全てのツアー終了後に皆がバラバラになってしまうのですか?

 

M︰私がこのツアーを始めたのは、私のスケートを通して支えてくれた人達に感謝の想いを見せたかったからです。でも今は、このショーに関わった全てのスケーターに心からありがとうという気持ちがあります。私の感謝の想いを最後の最後まで見せたいです。このショーの皆は新たな始まりへとかけだして行き、それぞれの道を歩む事でしょう。それでも、彼らがこのツアーに参加した事で何か身につける事が出来たと感じてくれたら、私はとても嬉しいです。私とこのツアーに加わる事を幸せだと思ってくれたらと願います。

 

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無良崇人

I︰このショーについて、どう感じていますか?それから他のショーでのスケートとどう違いますか?

 

T︰そうですね。殆どの他のショーでは、ゲストスケーターは3、4回滑ります。オープニング、フィナーレ、それから自分のプログラムです。でもここでは最初から最後まで滑り続けます。そこにヒントがあります。それから僕は開始した頃からずっと関わっていたので、他のショーと比べるとかなり特別です。自分の満足のいく演技を追求するだけではなく、ショーのアピールを考えなくてはいけない。僕達(真央と崇人)のどちらかが頼りではなく、10人のスケーター全員が一緒になることで、観客が目を向けるだけの価値があるものを提供できるのです。ですから僕はショーをもっと良くするために若いスケーター達をケアして、話を聞いています。僕達は今3年目で、どうすれば成長できるのかを若いスケーター達と話す必要があると気づいています。僕達は最近、女子のパートを変更しました。そしてそれがショーを更に良くしたと感じました。それで男子は奮起し、自分たちの演技にもっと気づくようになりました。それで彼らはもっと良くなったんです。たとえばラフマニノフの曲などです。

 

I︰別の言い方をすると、貴方にはこのサンクスツアーでの確かな役割がありますね。他のスケーターにとってのお兄さんのような役割です。

 

T︰ええと…分かりません…。

(遠くからマネージャーの声︰はい、彼はまさしくそういう役割があります。彼が"はい、僕は皆のお兄さんですよ"とは言いづらいでしょう。)

そして真央も会話に入り込んで来て、こう言った。

「彼は私達のお父さんみたいです!私達にとって頼りになる人で、そこにいるだけで支えになります。その、私達はほとんど同い年なんですけど、彼に頼っています!邪魔してごめんなさい」

 

I︰いつもどこで練習していますか?

 

T︰僕達は上尾を使います。また時々は野外のリンクです。二子玉川とかミッドタウン、他にも色々です。

 

I︰今は教えたりしていますか?

 

T︰いいえ。コーチとして働いていません、まだ。時々は父(無良隆志)を手伝いますが、特に指導というのはしていません。

 

I︰コーチになりたいですか?

 

T︰ええと、指導に興味はありますので、勉強するべきです。でもたとえ今コーチになりたいとしても、現在の状況で与えられるのは不可能でしょう。僕は毎週末ショーのためにリンクから出ていきます。ですから生徒を持つことは無責任です。でも将来は指導に集中したいです。

 

I︰貴方には男性ファンも多い、ですよね?

 

T︰そうみたいですね。僕はゲームがテーマのショーで滑りました。それには多くの男性ファンがいたんです。彼らは僕を気に入ってくれて、僕が滑るのを見るためにサンクスツアーに来てくれました。フィギュアスケートに興味を持ってくれた彼らにとても感謝しています。ご存知のように競技会の客席は90%が女性です。でもこの男性達の中にはスケートを滑りたいと思う人もいて、その中の幾人かは実際に始めたんです!僕はフィギュアスケートに貢献できたように感じ、とても幸せです。僕達は主に男性向けのイベントを始めました。そして4月に岡山で行う計画があり、既に沢山の申し込みがありました。多くの男性を含めてです。

 

I︰プロスケーターとして、若いスケーター達に何か言いたいことはありますか?

 

T︰何か言うとは考えもつきません。今のスケーター達は僕達が習った頃よりもずっと技術的に良くなりました。僕の唯一のアドバイスは、スケートのキャリアの中で自分自身を確立する事です。自分は何者なのかを見つけて、演技を通してそれを表現すること。僕は現役時代の最後の頃にだけ、その事を認識しました。でももしそれに気づけば、演技に大きな違いが出てくると思います。

 

I︰プロスケーター達の何人かは、現役を引退後にもっと表現が良くなります。貴方がそうであるように。何故でしょうか?そして若い世代のスケーター達はそこから何を学ぶのでしょう?

 

T︰僕自身で言えば、以前滑っていたものとは違うタイプの音楽を選んでいた事です。サンクスツアーでは、僕が一度も考慮しなかった音楽を使わなければいけませんでした。そして僕は真央の演技を見ました。以前は見なかったものを。プロスケーターにとって最も重要な要素は、その人が観客をどれだけ引き込めるか、だと思います。審判のいる競技会とはとても違うところです。僕が競技者だった頃には気づけませんでした。ですから、それまで考えもしなかったような新しい事をやると、良くなっていくと思います。自分のスタイルを再評価したり、新しい自分自身を見つけるかもしれません。

 

 

(終)

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アブソルート・スケーティングさんの浅田真央さんサンクスツアーの記事より一部を抜粋しました。

インタビューを読んでいるだけで、真央ちゃんと無良くんの雰囲気が伝わってくるような…そんな素敵な記事でした。ようやくツアーも再開されましたが、モンゴルでの公演はどうなるのでしょう。スポーツも飲食店も施設も、何かしらの屋内で行うものは、とても大変な事になってしまいましたね。スポーツは屋外だとしても、関わる人が多いですから、ショーもそうですが。実施したい、そして私のように観客として見たいという気持ちと共に、私達の心に「ウィルスが怖い」という感覚がもう、ついてしまいました。そして、その気持ちは持ち続けなければ、すぐにまた大変な状況になる事も私達は分かったのです。

ウィルスに関しては、専門家の先生達を信じて、じっと待つしかないです。そして生活の中で出来る事をやりながら、少しずつ楽しい事が出来るように、やり方を見つけていけたら良いですね。

真央ちゃんのスケートは、言葉に表せないような純粋さがあります。それが大きな魅力ですね。真央ちゃんがいつまでプロとして滑ってくれるのか…は彼女にしか分からない事ですが、ファンの勝手な願望を書きますと、真央ちゃんにはエカテリーナ・ゴルデーワさんのようになって欲しい‥と思っています。勝手な願望です!(笑)

ゴルデーワさんの現役時代のスケートは、イメージがとても真央ちゃんは近いなと思っています。スケートが純粋なところです。カーチャ・ゴルデーワさんは、氷上の妖精でした。そして今50代になっていると思いますが、今でも妖精のように美しいのです。スケートを滑る姿は本当に妖精のようです。真央ちゃんの10年後、20年後、そんな未来があればいいな…と思ったり…しています。

真央ちゃんのスケートを長く見たいな…というファンの勝手な気持ちを最後に書いてしまいました。