タチアナ・タラソワさんが女子、男子シングルについて語っています。

久しぶりの投稿です。何を訳して載せようかなと思っていましたが、タラソワさんが語ったインタビューにしました。少し前のものになりますが、この記事にします。これからは懐かしいものや最近のインタビューも交えながら、ゆっくりと更新していけたらと思っています。

ブログ主自身は、ちょっとまだ体調がいまいちなので、のんびりやっていくつもりです*1ペコリ

タラソワ先生は本当にパワフルな方で、なんでこんなに元気なのかなぁと今でも思います。

英訳された記事はこちらです。この記事自体も一部のようですね。

ロシア語→英語→日本語です。

I→質問者

T→タチアナ・タラソワさん

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タチアナ・タラソワ︰スポーツにおいて、もし人が競わなければ、怪我をする事はない。その後、去ることでしょう。】

I︰アリーナ・ザギトワのキャリア延長は貴方にとって予期せぬ決断でしたか?

 

T︰彼女は正しい事をしたと思います。これは彼女の物事の先の見方なのです。そして彼女のコーチ陣にとっても。彼らはアリーナを除外しなかった。しかし休みを取るというアイデアに落ち着きました。それからもし人々が年齢を18歳に引き上げたのなら、彼女は全てのタイトルを争う事が出来たのです。

 

I︰ザギトワは戻って来ると思いますか?それとも平昌冬季五輪の勝利の後には、力強い意欲が全く無いと?

 

T︰ある人にとっては、一度五輪チャンピオンになる事で十分です。またある人にとっては、そうではありません。アリーナには力強く、美しいジャンプがあります。しかし彼女は望まないのです、例えば、立ち上がって四回転を学ぶ事をです。私は確かに彼女は四回転を習ったと思いますよ。もちろん、小さな子供達が習っているような数でないとは言えども。トゥルソワが跳ばないのはループだけですよ!

 

I︰つまりは、貴方はザギトワは戻らないとお考えですか?

 

T︰私は彼女に戻って欲しいと思います。もし年齢のルールが変わるのなら、これは起こり得る事です。そしてそれが起きなければ、彼女は戻らないでしょう。

 

I︰貴方のご意見では、メドベージェワのブライアン・オーサーの元への移籍は明確に正しい決断でしょうか?このコーチが確実に彼女に与えたものとは何でしょう?

 

T︰彼女は離れずにはいられなかったのです。そして選択そのものはまた別の問題です。オーサーが彼女に与えたもの、彼は与えましたよ。彼女を愛しました。ジェーニャは強い人であり、真のロシア人的な性格です。才能があり、狂気的なほどに仕事熱心です。彼女はスクールへの大変素晴らしい貢献をしました。他の女子選手達は多くの事を学んだでしょう。

 

I︰そして彼女は何を学ぶのでしょうか?

 

T︰ジェーニャは更に良くスケートを滑り始めました。もう一つは、彼女のキャリアを通して負った多くの怪我です。背中も含めて。動く事を妨げるのです。しかし彼女自身が4回転を学びたがっています。そして私はそういう事を欲する者たちをいつも支援します。移籍後、彼女には大変な生活が待っていました。外国へ行ったのです。外国の街、知らない人達。そして今はその人達は彼女の家族となりました。彼らは彼女にとても良く接し、敬意をもって対応したのです。彼女の仕事を見て、どのように彼女が自分を変え始めたのか、どのように食べ始めたのか、どのように自分の身体の強さを保つために、全ての事をやっているのか。メドベージェワはとても深みのある人間です。私は彼女を尊敬しています。

 

I︰貴方はトゥトゥべリーゼとの関係解消の瞬間をこう言いました。

"彼らは私達の正に目の前で少女を殺そうとしていた。ジェーニャをとても気の毒に思います。"

この出来事で最も印象深い事とは何ですか?

 

T︰ジェーニャの、五輪においてと移籍後の賞賛に値する態度です。コメントにおいても、その他の全てにおいても、どちらもです。彼女の敗北以外は全て。多くを失いました。彼女は誰も侮辱しなかった。何も言いませんでしたが、おそらく、何か言う事はあったでしょう。何故ならそれは、彼女にとって裏切りだった。従って、彼女は去りました。彼女にとって見れば、持ちこたえていた壁が崩れてしまったのです。

 

(中略)

 

I︰私は、2年ほど前の私達の会話におけるユリア・リプニツカヤについての貴方の発言を覚えています。

"彼女は優れていて、成功を収めた子供です。でもソチの後に、彼女は少し放置されたようになってしまった。"

メドベージェワについても同じ事が言えるでしょうか?平昌五輪の後、若しくは、その前から。

 

T︰私はその事は言いません。彼女達には別の宿命があります。多くが似通って見えるとしても。ソチ後に、リプニツカヤは怠惰に続けていました。エフゲニアは即座に動きました。スケートを続けたいと気づき、何かを信じなければならなかったのです。そして彼女自身でコーチを見つけました。

 

I︰女子シングル・スケーティングは今の状態ほど年齢が若かった事はありません。我々が頑強な年齢制限を導入する必要があると話している事に関して、どう感じていますか?何故なら今は、たとえ19〜20歳のスケーターでも次世代の若い少女達により外側へと追いやられてしまいます。

 

T︰驚くほどにね。今、彼女達は15歳でシニアへ移行します。私なら17歳にします。若しくは18歳。そうすれば私達は全てを提供できます。例え新しいルールが導入されても。私達にはその資格に一致する類まれなスケーター達がいます。ジェーニャ・メドベージェワ、アリーナ・ザギトワ、リーザ・トゥクタミシェワ。私達はこの3人の女子選手で18歳以上のアスリートの競技会で勝てます。そして18歳未満の競技会では3人の女子選手で勝つでしょう。それから次世代が出ていきます。エテリ・ゲオルギエヴナの所に良い少女達がいます。もっと言いましょうか…スーパーガールズですよ!

 

I︰素晴らしい事ですね。しかしイリーナ・スルツカヤカロリーナ・コストナーが持っていたような長いキャリアというのは、不可能になるというのは悲しい事です。特に私達の国での、そのような競技会においては。

 

T︰ところで、カロリーナが言うには、「私はまだ引退していません」だそうですよ。でも彼女は競技に出場していない。スポーツにおいて、競技に出ていなければ、怪我をする事はありません。そして去ることでしょう。一般的には厳しい年齢制限の導入は私達に利益をもたらすと言えます。

 

I︰本当ですか?多くの人はこう信じています。その事を働きかけている人々は、ロシアの興味関心に反してただ動いているのだ、と。

 

T︰人は望むものなら何でも熟考できるものです。しかし並外れたアスリートというものは、例えば、メドベージェワですが、彼女に残された仕事はありません。何故なら4回転を跳ばないからです。トゥクタミシェワのみが跳びます。そして彼女達は他の国の女子選手と競技ができます。アメリカ人、韓国人、日本人。非常に価値のある女子の競技会になります。ひょっとすると、3回転半や4回転がそんなに多くはないでしょうけれど。17歳以下の少女達は我々を技術で驚かす事でしょう。

私からすると、そのような競技会が見られて、更に非常に興味深くなる事のように見受けられます。何故なら、そういう年上の選手たち、私達がスポーツにおける道筋を知っている選手たちに、我々は恋に落ちる時間があるからです。彼女達を賞賛します。そして氷上のバレエは出来ないけれども熱心に練習を続ける彼女達に、賛辞を送ります。これは尊敬の念、そして彼女達がどのように進化するのかを見るという情熱を起こさせます。でも私達はこの事を見たりしていません。何故なら彼女達は競技をしていないからです!

 

I︰今現在起きている事から、年長のスケーター達に申し訳無い気持ちを感じますか?

 

T︰はい。とても申し訳ないと感じます。彼女達は今競技会に携わっていません。挑戦していますし、何の罪も無い。しかし技術的な向上がとても素早く進化しています。彼女達はそれにペースを合わせていない。彼女達は"3回転-3回転"のパイオニアでした。でも思春期の年齢の時に、それが"4回転-3回転"に変わったなら、技を増やしたりはせず、抑えます。今、その年齢を抜け出して、全てを競技会に貢献できるようになった。私は年齢制限の変更は誰も傷つけないと思います。

 

I︰最近、貴方は4回転ジャンプを禁止したがる人々について厳しく語りました。

「彼らは40年前にフィギュアスケートを放り投げたいのだ」と。

誰にそんな事が必要なのでしょう?

 

T︰勿論、厳しい事を言いましょう!進化は止められないからです。何も禁ずる事は出来ません。こういった禁止は誰かのため、何かのために作られました。女子ではショートプログラムで4回転ジャンプは許可されていません。何故男子で可能で、女子では不可能なのでしょう?何故なら我が国の女子選手達だけがそれを跳ぶからです。許可すると、我々には近づけなくなります。それでも全員を中程度で平等にするよりも、最高に到達する方が良いでしょう。

国際スケート連盟は、この事を良く分かっています。しかし彼らにはパワーがあるのです。4回転ジャンプは曲芸です。曲芸とはサーカスにあるものです。ですから、サーカスなのです。一体何が最も人を呼び寄せ、喝采を起こさせるのか。曲芸とは恐怖の感情を人に与えるのです。スクリーンを通してでも。そしてこれらがスーパー・エレメンツなのです。

 

I︰貴方にそのような歓喜を与え、椅子から立ち上がらせるようなスケーターはいますか?

 

T︰いますね。羽生結弦とネイサン・チェンです。私は最も進歩的な振付師のシェイ・リーン・ボーンがいかにチェンを作り直したのか、を喜ばしく思います。そしてチェンがラファエル・アルトゥニアンと共に取り組み、どれほど成功を納めたのか、にもです。アルトゥニアンと私は、かつてモスクワの同じリンク、ヤング・パイオニア・スタジアム、今では高層ビルに埋め立てられた所でかつて一緒に働いていました。これはどれほどスタジアムの埋め立てに成功したのかという事であります。私と彼、人々達を一緒にね!今では彼はアメリカの最高のコーチです。そして私がチェンを見るとき、審美学的な喜びがあります。彼は5回の4回転を跳びます!

 

I︰二度の五輪チャンピオンである羽生結弦は4回転アクセルを跳ぶために、三度目の五輪へ向かっています。これは現実ですか?

 

T︰彼がそれを言うのなら、現実です。彼は唯一無二。私達は幸運ですよ。あのような確実に、神の口づけを受けたスケーターを見ているのです。彼は意欲を失いません!もっと、更にもっとと求めています。

 

I︰我が国の男子のスケーティングには何が起きたのでしょうか?貴方の二人の五輪チャンピオン、クーリックとヤグディンの後には、プルシェンコだけでした。それだけで、もういないのです。

 

T︰失敗がありました。常に波がある時に起こります。二人が争っていた時、ヤグディンプルシェンコですが、他の者たちはどうやら休んでいたのです。今は男子選手たちがいます、例えばアリエフです。興味深い男子ですよ!もしプシュケ(愛の神)の許しを得れば、メダリストの仲間入りが出来るでしょう。

 

I︰貴方にお気に入りがいるという、主観的な事への非難をどうお感じになりますか?そしてそういう選手たちが本当にいるのですか?

 

T︰私のお気に入りは才能です。私が感じ、そして見るものです。

 

終。

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久しぶりの投稿でした。少し古い記事ですが、自分の記録も兼ねて、こちらのインタビューを訳しました。

これからは冒頭にも書いたように、最近の気になるものから、ちょっと懐かしい記事など色々上げていこうかなと思っています。

 

フィギュアスケートの試合自体がどうなるのか定かではないため、自分の体調とも向き合いながらゆっくり更新していくつもりです。

 

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