ブライアン・ジュベールさんが指導について語っています。

2018年のインタビューになりますが、ブライアン・ジュベールさんがコーチの仕事について語ったインタビューがありましたので、一部を抜粋して訳してみました。まだ指導者として始まったばかり。これからまた競技会で姿を見るのかなと思うと、ちょっと楽しみです。

記事はこちらです。

去年のジュニア・グランプリの試合中のインタビューのようです。

 

I→質問者

J→ブライアン・ジュベールさん

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ブライアン・ジュベール︰良い時も悪い時も、いつも生徒のそばにいます。】

 

I︰貴方のスケーターと一緒に試合にいる事について、今どう感じていますか?

 

J︰とても誇りに思います。ジュニア・グランプリのイベントですから。とても重要な競技会です。僕は若いコーチで、だからこそ経験を得る必要があります。僕は自分自身の成長のために、生徒にとって良くなるために、こういうイベントが必要です。すごく気に入っていますよ。

 

I︰ポワティエの貴方のクラブには全体で何人のスケーターがいますか?

 

J︰100人以上です。全員を指導しています。小さい子供たちも教えているんです。2歳くらいの子供ですとか。また、キム(・シェレムスキー)やアダム(・シァオ・ヒム・ファ)のようなジュニア・グランプリ・イベントに参加するスケーター達もです。

 

(中略)

 

I︰競技会にいる時は、貴方自身が滑っていた頃よりも緊張するものですか?

 

J︰はい。僕がスケーターだった時は、音楽が始まったらストレスは終わりでした。そこにはプログラムだけがありました。コーチの時は、自分のスケーターがジャンプに向かって行く所を見ます。心配になります。でも何も出来ません。スケーターが失敗をする所を見るかもしれない。それでも待たなければ。時々、悪い試合だったり、良い試合だったりします。良い感覚があり、生徒達と何かを共有するんです。素晴らしい事です。

 

I︰貴方は厳しいコーチ?

 

J︰分かりません…生徒に聞かないとね。(少し考えて)いえ、厳しいコーチではないです。でも僕にはルールがあります。そして生徒はそのルールを尊重しなければなりません。コーチを尊重し、パートナーを尊重しなければ。

 

(中略)

 

I︰怒ったりしますか?

 

J︰もしスケーターが諦めたら、僕は怒ったり、落胆するでしょう。でも僕はフィギュアスケートはとても難しいと知っています。たとえ準備が万全でも、たとえ良い練習をやってきて、良い6分間練習をしても、それでも、プログラムの最中には何だって起こり得ます。ですから僕のスケーターが何個か失敗をしても、大丈夫です。でももしスケーターが諦めたら、残念です。

 

I︰貴方を鼓舞するような、貴方自身の元コーチはいますか?

 

J︰タチアナ・タラソワさんです。僕にとっての模範です。彼女が僕にした事を、僕はやろうとしています。

 

I︰貴方にとって指導で最も難しい事は何ですか?

 

J︰全てのスケーターは違います。ですから同じ問題を修正するために、違う言葉を使わなければいけないのです。何故ならある人はこの言葉で理解するけれど、他の人は理解しないからです。自分の生徒を正確に知らなければいけません。どのエクササイズを彼らに与えないといけないか、を知らなければいけないのです。

 

(中略)

 

I︰女子と男子の指導で、何か違いはありますか?

 

J︰ああ!そうです。(目を泳がせる)女子は、難しいです。想像も出来ないでしょう!彼女達は注意を向けられるのを好みます。僕にとっては女子選手と練習する事はずっと難しいのです。

男子とは、簡単です。僕には沢山の男子選手がいます。そこには良い雰囲気があり、良いスピリットが男子達の間にあります。彼らはお互い助け合います。お互いに背中を押し合います。でも良いやり方においてです。女子選手達はいつでも戦い合っています。

 

I︰そして貴方は彼女達を落ち着かせる人ですね、それに…

 

J︰はい。それは時々問題です。

 

I︰今シーズン(2018-2019)、フィギュアスケートでは多くの新ルールが出来ました。男子とペアのフリープログラムは今短くなり、GOEの段階は-5から+5です。これらの変更をどう思いますか?

 

J︰GOEのアイデアは気に入っています。でもプログラムを短くしようとする時、たとえジャンプを1つ取り去っても、身体的に更に厳しくなります。トランジションもです。以前の方が良かったと思います。でも今のスケーター達は素晴らしいです。信じられないほどに。彼らは優れた仕事をする事でしょう。

 

I︰ブラスチラバ(JGP)で、私達は13歳のスティーブン・ゴゴレフがフリースケートで3つの違う種類の4回転を降りる姿を見ました。男子のスケーティングで多くの4回転を見る事は、貴方には幸せに違いないでしょうね!

 

J︰当然です。大好きですよ!僕の全てのキャリアでその事と戦っていました。今、ゴゴレフが3つの4回転を跳ぶのを見ます。若しくはネイサン・チェンが6つの4回転を跳ぶ所を。素晴らしいです!しかしながら、僕はもう氷上にいない事が幸せです。何故なら非常に難しい事ですから。でも僕は幸せで、僕のスポーツが誇らしいです。そしてその事と沢山戦っていた事が幸せです。

 

I︰若いコーチとして、指導者のコミュニティにいる事はどう感じますか?他の人々は貴方を受け入れますか?

 

J︰はい。フランスのコーチ達と議論をしました。彼らは僕の事を幸せに思っています。そして国際イベントにも暖かく迎えられました。皆が幸せです。今は、僕は良いコーチになれるのだと証明しないといけません。

 

I︰どれが好きですか?指導の技術的なもの、ジャンプを指導する事、精神面の準備、プログラム創り。

 

J︰自分の仕事の技術的な側面が好きです。精神面の部分もまた好きです。問題を修正する事、スケーター達に自信を持たせる事。振付に関しては、僕は創る事が出来ますが、誰かと仕事をする方が好きです。僕の周りにチームを作るのです。1人のコーチが全部の問題を修正出来ないと思います。僕はジャンプ、スピン、状態を修正できます。でも僕の周りに何人かの人々が必要です。

 

I︰貴方はキャリアの中で沢山のコーチ変更がありました。今、コーチとして、貴方の以前のコーチ達を少しは理解しますか?違う見方で見ています?

 

J︰今は、コーチになる事はとても難しいと理解しています。それでも僕は、以前の僕のコーチ達の幾つかの決断が未だに理解できません。僕が好きではなかった事を使おうとしています。逆の事をやろうとしているんです。ベストを尽くしたいです。もちろん失敗をするでしょうが、氷上にいる時は全てを出しています。

 

I︰コーチとしての野望は何でしょうか?主要な競技会で表彰台に乗るような生徒が欲しいですか?

 

J︰それは僕にとって素晴らしい事です。でも僕には生徒がいるんですが、彼女は7歳で、そしてアクセルを降りました。僕からしたら、それは素晴らしいのです!当然ながら大きな大会で表彰台に届く生徒がいたら凄いですね。僕の目標です。でも氷上で笑顔でいる子供達を見る事が、僕にとっての最初の目標です。

 

I︰それでは貴方はコーチとして氷上で沢山の幸せな瞬間があるのですね。

 

J︰はい。でも彼らが氷上にいるのは楽しむためではない、と言わなければいけません。僕達は仕事をするために氷上にいるのです。

 

I︰貴方自身のためにスケートをする時間はありますか、ショーに向けて調整するため等の時間は?

 

J︰去年、僕は多くのショーをやりました。でも今はもうスケートをしたいと思いません。

 

I︰恋しくはありませんか?

 

J︰いいえ。コーチでいる事が本当に大好きです。時々は自分のために練習するでしょうが、ショーはやりたくないです。

 

I︰もし貴方がもうショーに出ないのなら、沢山のファン達が残念がる事でしょうね…

 

J︰そう思いません。彼らは僕の生徒を見る事を幸せに思うでしょう!(笑顔) そして練習をする時間が無いんです。ですから、もし僕がショーをやったら、クオリティが良くはないでしょう。観客とプロデューサーに対する敬意から、今この瞬間は僕は仕事をしなくては。ショーのための時間はありません。多分後々には…でも今はその時ではないのです。

 

 

終。

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年齢的には若いですが、選手として見ていた頃からは少し時間が経ちました。数年前に私自身もクリスマス・オン・アイスというショーでジュベールさんを見たので、もうショーに出るつもりは無い、という決意は少し寂しいです。でもインタビューでも語っていますが、ジュベールさんの指導しているスクール?でしょうか、はかなり規模が大きいです。100人以上のスケーターが練習しているというのは驚きです。そして期待のジュニア、アダム・シァオ・ヒム・ファ選手の指導もあります。忙しそうですね…。

でもジュベールさんが話すように、彼自身やランビエールさんを試合で見るのは、今では私の1つの楽しみになってきています。フィギュアスケートを長く見ていると、選手が指導者や振付師、またはレポーターになり、色々な国際イベントで違う姿を見る、という楽しみがあるんだなと、なんだか不思議な感覚が出てきます。

 

それにしても、ジュベールさんは女子選手にちょっと苦戦しているようですね(笑) なんとなく、ちょっと誤解がある気もしますが( ̄▽ ̄)

女子って集中している時は火花がバチバチしても、結構サバサバしている気がするんですが…違うのかな(笑)