シルヴィア・フォンタナコーチ(ジェイムス、シプレ組など)のインタビュー動画です。

ジェイムス、シプレ組のコーチの一人、シルヴィア・フォンタナコーチのインタビュー動画を訳してみました。オータム・クラシックでのものです。

シーズンも進み、もう試合が色々ある中でいつも遅い更新ですが、新しいシーズンと共にまた色々な議論が起きています。もう少しコーチ達の言葉、指導についての話を訳して行こうかなと思います。

 

記事はこちらです。

 

T→質問者のテッド・フレッドさん

S→シルヴィア・フォンタナコーチ

 

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【シルヴィア・フォンタナ︰ペア、ジェイムス、シプレ組に関して】


T︰テッド・フレッドです。こちらには素晴らしいペアコーチのシルヴィア・フォンタナがいます。お会い出来て嬉しいです。ペアと、他の分野も指導していますね。

今週のビッグニュースとしては、貴方のトップペアチームのヴァネッサ・ジェイムスとモーガン・シプレ、彼らの今シーズンのアプローチに関してです。詳しく話して頂けますか、この決断の情報についての見識などは?


S︰ファンにとって素晴らしいニュースだと思います。何故なら最初の彼らの傾向は1年1年やって行く事で、五輪まで全てをやるという事ではなかったのです。そして今年(2019)の世界選手権の後に、引退する予定でした。でも五輪の年にフランスが世界選手権の開催国となるという事を、彼らが気づいてからは、彼らは全てやっていこうと決めました。五輪のメダルという夢を追いかける事です。

ですから私達はとてもワクワクしています。彼らは、ファンにとって少し不足した状態がありました。でもこれからは全てやりますよ。


T︰トレーニングについて教えて頂けますか?特に昨シーズンの夏の離脱していた頃というのは?


S︰はい、彼らは確実にショーにもっと求められていて、ショーに気を取られていました。でも彼らは練習に戻る事を熱望していて、だからこそ私達はこの決断を取ったのです。あまりにもシーズンを休む事なく、そして本当に五輪へ準備をする。彼らは世界ランキングで上がってきていました。よい調子で、かなり早く。でも私達は五輪の年へ向けて本当の武器を持つ事を、理解しています。違う事を伸ばして、何か新しく、特別な事を創り上げるのです。それには時間が必要です。ですから今シーズンがある事は五輪へ向けてとても良い事です。


T︰昨シーズンを振り返る時、彼らはシーズン始めにはとても堂々たるものでした。率直に言って、全てにおいてです。それから不運なショートプログラムのウォームアップでの酷いアクシデントです。彼らに何と助言しましたか?ジョン(・ジマーマン)やコーチ達はあの夜に何と言っていたでしょう?この先の見方という点において、本当に残念な世界選手権になりました。誰もが「彼らが栄冠を手にする瞬間」だと思っていました。その時が来たのだ、と。


S︰本当に残念でした。何故なら世界選手権まで20日間、彼らは練習で何一つ失敗をしなかったんです。ほとんど魔法のようで、とても体型も整っていて、彼女はスローや他のジャンプで転倒すらしなかったんです。本当に、その場へ行く準備は精密なものでした。私達は本当にゆとりがあって、私はジョンにこう言ったりもしたんです。言うべきではなかったんですけれど(笑)

「私は緊張もしてない、彼らがどんな準備をしていたのか分かっているから」と。そして、準備する事が出来なかった何かが起こりました。あれは、そうですね、私はヴァネッサはとても、とても強い人だと知っています。そして痛みに非常に我慢強いのです。でも、それは肉体的にとても痛みを伴うものでした。そして当然、精神的にも。厳しかった。

それからモーガンにとっては、彼女が怪我をしたと知っている事は精神的に大変な事でした。そしてスケートを続ける事。それは、彼らの自信を本当に揺るがすもので、準備したものは殆どが窓から出ていったような感じでした、少しね。

彼らはフリーで素晴らしい復活をしましたが、それでも、エネルギーに満ちたものではありませんでした。目標に届くために、彼らが持っていたものではなかった。とても難しい事でしたが、また、"そうあるべき"でもあったのです。もし彼らが優勝していたら、私は彼らは完全に引退していたと思います。私は、これは起こるべくして起こったのだと推測しています。その先の大きな目標のために。そして私達はそれを、これからやって行くため、良くなるための、ある動機の1つとして捉えています。何か特別な事のための準備をするのです。


T︰シーズンの始めには、ショートプログラムとは彼らにとって苦しむ時が見られます。彼らはただミスなく振り出す事が出来なかった。貴方はどんな助け方をしますか、準備を整えるために。欧州選手権の事を見返すと彼らは自分達のシステムを得て、欧州選手権ではクリーンにやりました。

それはまるで、全ての競技会で誰かが付きまとっているようでした。グランプリファイナルで彼らはオープンに語りました。「私達はこのショートプログラムで以前を見直してみて、何が悪いのかを認識しなくてはいけない」と。その"何か"とは何だったのでしょう?何かしらのメンタル・ゲームでしょうか?プログラムの構成に関する事ですか?


S︰私が思うに、構成では多くの事をやらなければいけませんでした。つまりスローが最後から2番目の要素で、それはとても厳しいものでした。そして彼らのスローは大きいのです。彼女にとって沢山影響があります。

それからまた、あのショートは全く素晴らしいものであり、ギヨームによってとても良く振り付けてありました。とても大変だったんです。何故なら全てが非常に音楽的で、冒頭のトゥループの入り方はとても難しいものでした。それで私達はそこを、もっとやりやすいものに変更しました。

どんなスケーターでもプログラムをやり始めてから、きちんと上手くいかなかったら、2度目に出ていく時には大変になります。何故なら、その記憶を消さないといけませんから。ですから精神的には乗り越えるのが難しいプログラムでした。でもそのプログラムは彼らの成熟さをとても見せるものだったのです。1年前ならば、彼らはあんな風には見せられなかったでしょう。でも去年、彼らは自分達を築き上げました。身体的に準備するだけでなく、芸術的にもあるレベルに到達したのです。ロングプログラムにおいて彼らの実施はとても良く成り立っていました。そしてシーズンです、彼らが過ごしたもの、そのものがです。私達は彼らを誇らしく思います。今でもね。


T︰貴方が残りのペア競技を評価する時、貴方は彼らのスケーティング技術を伸ばしたいと話します。誰を競技のライバルとして見ていますか?その差を埋めるために、彼らには何が必要でしょうか?


S︰最大のライバルは、確信していますが中国のチームです。彼らは本当にアイスダンサーのようなんです。そして彼らは本当にマスターしています。彼らのスケーティング、音楽性は本当に「1つ」になっています。彼らのエッジの質、柔らかさ、彼らの繋がりは凄いものがあります。

ですから、私達には別のやり方があると感じます。私達は誰かを真似たりはしたくありません。私達には自分達が成長した所が見えます…自分達は誰なのか、という所です。それでも彼らの質は更に伸びています。彼らのアイデンティティを変えるのではなく、何か本当に特別なものを創る。それが彼らの特徴になるでしょう。ただそうなっていきます。


T︰今シーズンや次のシーズンに向けての音楽の選択について、話し始めたり考えたり、探したりした事は?


S︰私達にはアイデアがあると思います。ラインアップがあります、幾つか。やっていくつもりです。私達にはもう少しだけ調べたりする贅沢な時間があります。それと彼らはこの先に何人かの振付師と取り組む予定があります。ですから振付師を知って、関係を築きます。それで振付師は彼らが演技できる強みを知るでしょう。とても貴重な事を見つける事になります。


T︰他のチームを見ていくと、今は合宿などが活発に行われています。貴方の素晴らしいチームは、他にもヘイブン・デニーブレンダン・フレイザーがいますね。彼らの夏の練習はどのようなものだったか、話して頂けますか?どのようなシーズンになりそうですか?


S︰彼らは非常に良く練習します。この子達はとても勤勉に練習するのです。ロングプログラムはとても特別なものだと思います。彼らは過去に滑っていた「ライオン・キング」をやります。ただジョンがそこに、とてもクールな動きを造りました。とても興味深いです。彼らはローカルな競技会に出たばかりですが、そこで終に200点を超える点数を出しました。非常に希望が持てるものであり、全て自信となります。彼らがそこから立ち上がって行く事を本当に望みます。


T︰古いプログラムに戻ったり、同じ曲を使う事に関して、それをやる事にどんな考えが?


S︰私は、彼らがこの音楽に対してとても強さがあると感じます。でも彼らはもっと若い時にその曲で滑りました。今なら全ての可能性に届く事が出来ます。ですから、これは安全なものへ戻る、といったようなものではなく、前に推し進めるために戻るのです。何かしら関連性があったものへと。私達はとても強いと感じます。今年は、彼らが関係した何かが必要となります。そして芸術性を内包する事が出来るでしょう。でも彼らを包むものを推し進めなければ。良い歩み寄りとなります。


T︰毎シーズン、米国のペアは同じドアをグルグル回っている感じがします。誰が注目で、誰がチャンピオンなのか、という点において。そういうチームを上回るために、どう考えますか?


S︰私が本当に思う事は、彼らの演技構成点を再度そのレベルになるよう確信を持つ事です。何故なら誰もがオンとオフの日があります。もし彼らの点数が、更に高いもので並んだとしたら、それこそ私達が到達したいものだと常に考えています。全員が1つのパックとして存在したと思います。ジャンプを降りて、1つのスローを降りたら、OK、このチームが上だと。何故ならクリーンに滑ったから。

でも誰もヴァネッサとモーガンや中国人達を見ていませんでした。彼らは飛び越えて行ったのです。私達はヘイブンとブレンダンの精神面を変えたいと思っています。ええ、貴方達には要素がある、要素の質も。でもただやって見せただけで無いように取り組もうと。構成に取り組み、プログラムの解釈にも取り組みます。彼らはそういうものを持っていると感じます。ただ1つだけのスポットのために戦っている時、そういう時の精神面は、安全に行こうという気持ちになります。そして他の精神面は内包します。私達はゆっくりとそういう所へ届こうとしている、と思います。


T︰貴方のキャンプにはまた、ケヴィン・エイモズがいます。今シーズン、大きなスタートを切りました。オータム・クラシック・インターナショナルでの銀メダルです。彼は去年に欧州選手権で素晴らしい成績を収めました。ケヴィンの今シーズンへ向けて、期待する事は何でしょう?


S︰彼は別のレベルに到達したと、本当に考えています。今年の夏は、彼は非常に良く練習しました。非常に。身体的なトレーニングをして、身体の構成も取り組みました。彼は身体的にも精神的にも、ずっと強くなりました。私の彼への願いは欧州選手権での表彰台です。それからこれも願わずにいられません。世界選手権での、多分…トップ5になる事です。この道が続く事を願います。


T︰彼には素晴らしい才能と芸術性、氷上での音楽性があります。彼は更に成長するために学んだりしていると思いますか?若しくは、ただ生来のものでしょうか。


S︰彼はまさしく生来のものを持っています。人々が見る多くの事は、確実に彼そのものです。それでも、彼は成長していると思います。長くかかりました。本当に長かったです。彼は私達の所へ来て、私はこの素晴らしい才能を待ち望んでいました。そして今彼は技巧さと、何か完璧な、特別なもののテイストを獲得しました。彼は本当にユニークです。確実にこのスポーツにおいて何か印を残す事でしょう。


T︰素晴らしい。貴方のチームやスケーター達について話してくださり有難うございました。貴方とチームにとって幸運を願っています。


S︰有難う。

 

 

終。

 

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ジェイムス、シプレ組が昨シーズンに引退を考えていた事は、色々なインタビューでも語られていますが、やはり今年も演技が見られて嬉しいというのが正直な思いです。ただ、去年は世界チャンピオンになる最大のチャンスだったかもしれない、とも思ったりします。。。

それでもまだあと3年あります。五輪の時にどうなっているか、3年前には全く分からないものです。ロシアの若いペアもどんどん良くなっています。そして中国のスイ、ハン組は怪我さえ無ければ、恐らく今の所は五輪の金メダル最有力です。

でもジェイムス、シプレ組には、全く違う魅力があります。それに一つ一つが迫力があって、見応えが凄いです。ペアは、、、どうなるでしょうか?どのカテゴリーも、どうなるか分かりません。とにかく、楽しみましょう。。。