エフゲニア・メドベージェワ選手が東京五輪の大使、オフシーズン、新プロなど語っています。

エフゲニア・メドベージェワ選手のインタビュー、東京五輪の大使やオフシーズン、プログラムやネット上で話題になった事など、色々な事を語っています。

英訳された記事はこちらです。9月に投稿されたものです。

ロシア語→英語→日本語です。

I→質問者

M→エフゲニア・メドベージェワ選手

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【エフゲニア・メドベージェワ︰時折、ワインレッドのローブは単なるワインレッドのローブに過ぎない。】


I︰貴方は東京五輪の五輪チームの大使です。これは貴方にとって何を意味しますか?そして、この役割で貴方は何をするのでしょう?


M︰私にとっては、とても重要です。私達のアスリート達と共にゲームに参列する機会を得るのですから。私は五輪でパフォーマンスをする事がどれほど難しいのか、直接的に知っています。平昌で、私達は全員が厳しい状況にありました。停止と、中立の状態等の事でです。私達が準備をしなければいけなかった事は広範囲に渡り、それはパフォーマンスと、私達の代表している国家に関してではありませんでした。国旗無しでパフォーマンスをするという事だったのです。この事で和平を結ぶという事は、ほぼ不可能でした。

毎晩、ベッドに横になり、自分を納得させていました。「これはただ、この瞬間にこのようにあるべきで、それだけなのだ」と。全てが過去の事となり、私は非常に嬉しいです。そして今は、私達は完全な参加者となるでしょう。私は夏季五輪の選手達が、私達よりも状況が容易になる事を願います。


I︰お気に入りの夏の競技はありますか?


M︰体操競技です。ナショナルチームの沢山の選手達を知っています。私達は友達なんです。時々モスクワで会ったりします。私達は同じ学校に通ってたりもしました。私は少し年下なんですけれど。彼らの成功を追っているんです。


I︰どのように2020年の夏が過ぎていくのか、いくぶんは明らかになっています。それでは通常のエフゲニア・メドベージェワの夏というのは、どのように過ぎるものですか?


M︰私はライフスタイルを変えました。今年はビーチでのクラシックな休暇を取りませんでした。そして、そうなった事を嬉しく思ってさえもいます。殆どの時間を日本とカナダでのツアーで過ごしました。ツアーでは11の都市を訪問したんです。同時に、くつろぎにもなり、体型を崩す事もありません。リラックスしたり、友人達とカフェに行く時間がありました。でも同時に活動的なトレーニングでもあったのです。


I︰1年中それほどの量のアイスというのは、貴方を疲れさせたりしないのでしょうか?


M︰いいえ。これは私の要素なのです。快適さを感じます。


I︰オフシーズンに、我が国の沢山のスケーター達が韓国や日本でのショーで滑りました。理由は何でしょうか?彼らはフィギュアスケートがとても好きですか?


M︰はい。そして1年目ではありません。ただ今年は活発にメディアが報道していました。毎年夏には1ヶ月ほど日本で過ごします。殆ど4年連続です。ユニークな国です!人々はフィギュアスケートを芸術のように楽しんでいます。ショーに来る事は、まるで美術館で絵画を見る事のようなものです。そして彼らは全てのアスリートを支援しています。どんなレベルであろうと、どの国の出身であろうとも。たとえ多くの失敗をしても、彼らは絶対に非難しないのです。逆に、彼らは支援します。そしてこう言います。「心配しないで。次はもっと良くなるから。」


I︰貴方がその国そのものを、とても好きだと知っています。何故ですか?


M︰私が初めて日本へ行った時、私は別の惑星にいるという感覚がありました。まず言葉から始まって、食べ物、建築物、そして最後には違った交通機関です。

私は、14歳の少女で、単純にビックリしました。家に帰ってから母親と祖母にその事を話したんです。加えて、そこには確かに素晴らしい人々がいました。どういう訳か日本は人の心に瞬時に落ちてきて、残り続けます。


I︰カナダと日本で、ロシアに関して最も頻繁に聞かれる質問は何ですか?


M︰カナダで、です。彼らは以前、ロシアでは通りに熊が歩いているというのは真実ですか?と聞いてきました。


I︰その都市伝説はまだ生きていると?


M︰そうです!それで私は答えました。「それを信じている人が本当にまだいるんですか?」と。日本では、ロシアについては聞かれません。日本人達の精神性を理解する必要があります。それは彼らが興味が無いという事ではありません。ただ彼らが極めて気を使うという事です。どんな感覚の人に対しても。


I︰貴方は今年、ショートプログラムにミューズのエクソジェネシスを選びました。ドラマチックで芸術的なイメージのままでいると決めたのですか?


M︰これがドラマチックなイメージだと言えません。私は"明るい"と呼びましょう。

 

I︰同時に、この音楽は深刻な、殆ど黙示録的です。


M︰私は宇宙的なイメージを受け取りました。誰にも知られていない、でも同時に、とても明るいのです。クリスタルの輝きとも言えます。


I︰メモリーズ・オブ・ゲイシャがフリープログラムに選ばれました。貴方の日本への愛を考慮してですか?


M︰そうではありません。私は何年にも渡りこの曲を聞いてきました。そしていつでも私は精神的に、自分自身をこのプログラムへの準備をしていました。私は自分自身へ言っていました。「今こそ、その時!」と。そして毎回、完全に表現出来ないと私は理解しました。次もまた、「多分、今かな?」そして再度、いや、まだ成熟していない。これが2年ほど続きました。今私は、その時が来たと思います。


I︰ピンクのコスチュームでのプログラムの後、多くのファンが何か取るに足らない、楽しいものを期待していましたね。


M︰いいえ。私の主要なプログラムには、大抵はエネルギーに満ちた音楽を選びます。例えば、エクソジェネシスを聞いていると、空気が厚くなるような感覚があります。まるで水の中にいるような。この音楽はとても濃いものです。

それからメモリーズ・オブ・ゲイシャからのメロディは、鳥肌を起こさせるものの1つです。私にとってはとても珍しい事です。


I︰ピンクのコスチュームでのエキシビション・プログラムについてのストーリーを教えて下さい。多くの議論がありました。あれは貴方のアイデアですか?


M︰昨シーズン、私達がショートプログラムを「オレンジ・カラード・スカイ」から「トスカ」へ変更すると決めた時、振付師のミーシャ・ジーを招待しました。ある夜、私達は座りながら考えていました。私にはガラのプログラムが必要だったのです。ミーシャは私にアリアナ・グランデの「セブン・リングズ」を提案しました。この歌はその時にトップの歌で、あちこちで流れていたんです。結果として、振付の始まりは一夜にして誕生しました。


I︰あのプログラムのコスチュームと美術的イメージは、厳密に日本向けに振り付けられたように見えます。


M︰はい。日本の人々はとても気に入ってくれました。私は怪我をして滑っていたにも関わらずです。そのために、ただその音楽へと美しく動きました。私は世界選手権で腰を痛めていました。ジャンプもスピンも出来なかったんです。でも、これは観客の反応には影響しませんでした。ソーシャル・ネットワークの人達がバトルを始めただけです。


I︰ところで、感情的に異なるコメントにはどのように対応しますか?


M︰それぞれの人に感情的な度合いがあるものです。そして時々、それは秤から漏れてしまいます。ただ、私はそれを真剣に受け取りません。個人的に話し合いが出来る人達の意見を聞く事が大切なのです。でも信じて下さい。その匿名でネットに書かれた言葉を、私に言ってきた人は全くいません。

 

I︰貴方がカナダへ引っ越してから1年ほど過ぎました。この期間で最も記憶に残る、貴方にとって変化した事は何でしょう?


M︰全てです。そこでの生活は完全に違います。ある事は難しく、ある事は簡単でした。ご存知の通り、良い事には早くに慣れていくものです。完全に新しいものに対して、いつもではありませんが。でも今は、十分に順応したと言えます。


I︰あるインタビューで、貴方は同情が好きではないと言及しました。そしてこう言いました。「もし貴方が誰かに同情したいのなら、ただその人を助けて下さい。」と。今年を終えて、誰が、貴方の母親と近しい親戚などの他に、そのように接してきましたか、そしてただ助けてくれましたか?


M︰ブライアンです。アスリートとは常に自分達の中に欠陥を探す人々です。しばしば精神的に悪い感覚になります。そしてもし何かが上手く行かなかったら…体型が整わないとか、心配とか、ブライアンは皆に柵を作ります。そして静かに側に立つんです。もし彼が、その事が少しアスリートにとって容易になった所を見たら、彼は単純に質問します。「僕達はこの先へと取り組んでいる所かな?」それから残りの練習では近くにいてくれて、ジャンプを助けてくれます。とても重要な事です。


I︰貴方の邪魔をしようとする人はいましたか?


M︰勿論です。


I︰そのような場合、どのように自分自身を守ろうとするのでしょうか?


M︰私は状況を受け入れる人間です。私はそんな性格なんです。もし誰かが私の邪魔をしようとするなら、私はその誰かがその人ではないと装います。ただ静かにその人の目を見て、その邪魔なものを踏み越えて、先へ進みます。


I︰貴方のインスタグラムには沢山のジョギングのビデオやジムでのビデオがあります。本当はもっと身体的なトレーニングをしていますか?


M︰はい。私は氷上の外でより多くの活動をしています。活発に筋肉や身体を強くしています。


I︰それは何を得られるのですか?


M︰氷上での強さ、ジャンプの高さ、鋭さ、忍耐です。

 

(中略)


I︰この夏に貴方に関する事でとても人気のあるストーリーは、音楽に関する事です。貴方はあるインタビューで話していました。ビリー・エイリッシュの"バッド・ガイ"が大好きだと。そしてアリーナ・ザギトワのガラ・プログラムにこの歌が登場しました。この全ては耳障りな宣伝だと受け取られました。貴方の反応はどうでしたか?


M︰私達全員がこのストーリーがどのように終わったのかを覚えています。私はこの歌の計画が本当にありました。でも世界には沢山のクールな歌やアーティストがいます。ですから私を傷つけたりはしませんでした。

 

(中略)


I︰フィギュアスケートの世界では、音楽はしばしば同じになります。これには通常アスリートはどう対応しI︰人々が定期的に貴方を誰かと戦わせようとしている事実を、どう感じますか?


M︰人々はそうしようとしていますね。私が国際ジュニアレベルへと入った時から。だから私は慣れています。そのような状況では、私は水の中の魚のような感覚です。


I︰貴方は大抵は穏やかに対応しますか?それとも気楽さを証明しようとしますか?


M︰2つの本質が私の中で戦います。1つはこの世界で平穏を欲しがります。争いが起きる時は、座って考えます。"何故こんな事をしているの?暇なのか、それともアドレナリンが欠けているの?"

私の中で何かが燃え上がる事もまた起こります。何かを証明したくなるんです。でも私はいつもこの炎を消そうとします。そしてこの2番目の本質を落ち着かせます。何故なら

全ての争いは人を怒らせるために考えられたものだと、理解しているからです。


I︰最も人気のある意見の1つが、4回転無しでは貴方は女子シングルスケーティングでは何も出来ないと…


M︰だからこそ私は4回転サルコウを学んでいるんです(笑)現在のフィギュアスケートは技術的に急激な伸びがあります。それを受け入れなければいけません。全般的に、もし選手が技術的に弱ければ…前進、練習です。ただ私はそういった事を諦める人々ではありません。そのために、私は尚も戦っていくのです。


I︰貴方はアンナ・シチェルバコワが6歳の女の子だった頃を覚えている、と言いました。そしてサーシャ・トゥルソワは繰り返し貴方の事を、彼女の憧れだと呼んでいます。今、彼女達と戦わなければならないと気づく事は大変ですか?


M︰私は彼女達がとても若い年齢の頃から本当に知っています。そして私にとっては彼女達はまだ赤ちゃんです。特にアーニャ・シチェルバコワです。彼女はとても小柄ですから。親愛なるフィギュアスケート観戦者の皆様、私を信じて下さい。彼女達は皆様よりもずっと小さいんです。テレビで見るよりも!(笑)

私が彼女達にとって模範であると少女達が言う時、いつも私はとても嬉しいです。彼女達が技術的に私の2倍の事をやっているという事実にも関わらず、です。それは、私はまだ出来るんだ、という強さと自信を私にもたらします。


I︰インスタグラムに何かを投稿する時は、どれくらい大変ですか?友人とのランチ、試験的なダンス、議論があったピンクのコスチューム等ですが。貴方はどのようにして投稿の内容を選びますか?


M︰当然ですが、時には人々が私が投稿した事を今でも議論しています。私のページは公式です。それでも依然として個人的なものです。私がファンや友達と共有したいものが登場します。もし私が何も投稿しなかったら、それは何かが起こったという意味ではないです。私はただ仕事をしているんです。もし私が活動的なら、私が気分が良くて、皆と共有したいのです。

でも時々、人はワインレッドのローブを身に着けた写真を投稿します。そして人々はこう書きます。「ふーん、ワインレッドのローブ!これは新プログラムのヒント?おそらく新しいドレスの色ですよね。」と。いいえ、ただのワインレッドのローブです!

 

(後略)

終。

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前回よりはカジュアルな、でも色々話題になった事に関してのインタビューで、面白かったです。ソーシャルメディアは選手達が活躍し始めると、ちょっと問題になりますね。大変だなと思います…。

実際にエフゲニア選手とアリーナ選手が今はどういう関係性かは、本人達にしか分かりません。でも真央ちゃんとヨナさんのように、子供の頃は仲良しで、試合で物凄く競うようになり距離は出来たけれど、個人的に何かがある訳ではない、と思っていたいです。今はまだ、お互いなんとなく意識してしまうかもしれないけれど、きっと時が解決してくれる、と思います。昔のようには戻れないかもしれませんが…。

ミシェルとタラちゃんもそうでしたが、お互い交流とかは無くても、今は普通にスポーツ番組なんかでお互いの事を語ります。特に何か意識せず、普通に。女子選手のライバルって、テレビで煽るほどドロドロしてないように見えます。

男子選手の方が…なんか、ちょっと…(;´∀`)いつまでもいつまでもガタガタ言ってるイメージですね(笑)個人の感想です(笑)女子って結構サバサバしてます。