メドベージェワ選手、来シーズンに向けて。

エフゲニア・メドベージェワ選手が来季へ向けて語っているインタビューがありましたので、コメントなどを抜粋して、訳してみました。

 

記事はこちらです。

ISUさんのページに載っていたインタビューです。

 

➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

【エフゲニア・メドベージェワ︰スケーティングと生活の変化を喜んで受け入れる。】

エフゲニアは2019年3月、日本、埼玉での世界選手権で戻って来て、個人的な勝利と共にシーズンを終えた。それは、彼女に将来への自信を与えた。彼女にとっては、シーズンの最も重要な結論は、

「私は1人じゃない。私には一緒にいてくれる人がいて、それは私を諦めさせないんです。」

 

(来シーズンについて)

イリヤ(・アベルブフ)ともシェイ・リーン(・ボーン)とも素晴らしい仕事を一緒にやりました。私は1週間、フリーの準備をするために米国へ行きました。1日に7〜8時間フリーに取り組んでいて、3時間はシェイ・リーンと一対一で。その後はフロアと氷上で個人的な練習を続けました。」

「私は自分の音楽の選択が物凄く幸せです。ミューズ(エクソジェネシス交響曲)と、メモリーズ・オブ・ゲイシャです。とても長い間やりたかった曲です。特にメモリーズ・オブ・ゲイシャですが、長い間まだ十分に成長していない、上手くキャラクターを引き出せないと感じていました。今、私は適齢で、魂のありさまを引き出せます。それは私が観客に見せたいものです。」

「メモリーズ・オブ・ゲイシャは語られる必要があるストーリーだと思います。最初に音楽を聞いたんです。それから映画を見ました。その映画に恋に落ちて、もう一度見て、本を読み始め、そしてサウンドトラックを聞き続けました。たとえどれだけ聞いていても、嫌にならないんです。私が音楽にうんざりしない時は、それは私の音楽という事です、絶対に。とても強く、エネルギッシュで素晴らしい音楽です。」

 

「シーズンの準備はとても活発です。今回のオフシーズンは、私にとってバケーション無しでスケートをした初めての年です。ビーチ無し、ですね、言ってみれば。何かが上手くいかない事、生命体にとってストレスが多くなりすぎる事が、怖かったです。でもそんな事はありませんでした。私はバケーション無しにシーズンを始めるという、戦略を変えた事に満足しています。私にとっては、個人的にも私の身体にも、とても良いインパクトがありました。」

 

「内側のコンディションは変わりました。私は今ずっと落ち着いていて、もっと自信があります。私達は新しい要素に取り組んでいます。新しいプログラムを開拓している所なんです、新しいコスチュームについて考えたり。全てが出来上がって、経過の中にあります。」

「世界選手権の時は、かなり深刻な怪我がありました。治療するのに長い時間を必要とするものでした。でも予想されたものより2倍の早さで治ったんです。私は最低4ヶ月は氷に乗らない、治療の期間として与えられていました。でも結局は、2ヶ月もかからずに全て治りました。私の身体はとても早く回復しています。今私は新しいエネルギーを得て、 全てが良いです。」

 

(昨シーズンについて)

ロシアナショナルの練習では上手く行っていたが、突然に試合で安定して演技する事が出来なかった。

「恐怖のようなものでした。隠そうとしても無駄です。それは愚かな事です。どうしたって皆が見ていますから。私の自信の欠如から、快適さを感じませんでした。」

 

「私は変化や新しい環境に慣れるために時間が必要でした。事実として、人々は違う言語で話しています。そして完全に違う考え方をします。ブライアン、トレイシー、そして私は、シーズン中にお互いを知るようになりました。そして、私はとても嬉しかったです。世界選手権へ向けてお互い知るようになった事が。これはとても貴重な事で、彼らにとても感謝しています。」

「アスリートが試合の前に、精神的に非常に興奮してしまうという事は、起こる事です。コーチがそれに気づいたら、彼らは心理学者の役を担います。気づかれないように。もし彼らが、誰かがとても張り詰めている所を見た時、ブライアンはジョークを飛ばすかもしれませんし、トレイシーは気を紛らわす事を質問するかもしれません。これも実は大役を演じているんです。

人々はこう思っています。誰かがウォーミングアップをしていたら、コーチなそこにただ立っているだけと。現実はもっと複雑に入り組んでいて、全ての微妙な違いは私でさえ分かりません。基本的に、アスリートは知る必要は無いのです。何故ならコーチ達が魔法も使うからです。私はこのアプローチを見つけた事が嬉しいです。そして将来には、ただ良くなるだけだという自信があります。」

 

(世界選手権について)

メドベージェワは、世界選手権のチームとして正しい選択だと証明するという、多くのプレッシャーがあった。だがそれは彼女をそんなに困らせる事はなかった。

「プレッシャーが実は助けてくれました。私はそういう感じなんです。プレッシャーがあればあるほど、より良いスケーティングをします。私の人生、キャリアにおいて、ずっとそういう感じだったんです。どういう風に作用するのかは分かりませんが、いつもそうでした。」

 

(新しい環境について)

「(昨シーズンは)とても大変でした。身体的に、精神的に、同時にです。新しい環境に慣れる事はとても難しかったです。特別な事は無い、と考えていたとしても。私はもう環境にも、周りの人々にも慣れました。しかしそれは、今は慣れたという事です。私は今、完全に快適に感じていると気付きました。家でも、クリケットクラブでも。私はそこで何年も滑ってきたように感じます。

クラブの全員とはとても良い関係でいます。これは私が今までの人生で夢見ていた事です。仕事場へ行く事が、家族の家のようになる事。とても居心地の良い環境です。何度も何度も戻りたいのです。この環境は働く意欲を起こさせます。リンクを去りたくないのですから。」

「以前は、リンクとは私にとって、もっと仕事場という感じでした。時々ですが、リンクというのはハードワークを連想させました。今は、リンクは楽しい練習を連想させます。全ての事を、貴方自身のためにやるのです。」

 

(故郷について)

「モスクワを恋しく思うのが少ない、とは言えません。今でも私の故郷です。私が仲良くしていた沢山の友人や知り合いがいます。彼女達ははロシアに居ますから、すごく恋しいです。殆ど毎日、コミュニケーションを取っていましたから。時々私が孤独を感じる事を、彼女達は知っています。そうなったら、モスクワが午前4時でも電話をかけてくれます。他には話す時間がありませんから。こういう人々は、誰もが自分の周りにいて欲しい、誰もが夢見ている人々だと、私は思います。」

 

(変化について)

「私はライフスタイルや、多くの事を変えています。小さな事から始めています。そこまで大きな意味は無い事です。でも、それは私を更に幸せにします。私は世界に向けてもっとオープンになりました。ダイエットも変えて、生活の見方も変えて、趣味のやり方も変えました。私は絵を描くんです。なかなか上手く描きますよ。その絵を誰かに見せたりはしません。個人的なものですから。私は主に肖像画や自然、私の魂の状態を反映したような珍しいイラストを描きます。でもそれを見せる事はしません。絶対に無いでしょう。ただ自分のためなんです。」

「私は植物性食品がベースのダイエットで、全てが入った製品に変更しました。それは私の有機的組織を助けていると感じます。そのために、自分で自分自身をかなりの時間で精神的に準備をして、そして今私は、食べ物に関して問題が無いと気付いています。問題は何処かへ行ってしまって、私は身体のために、そして環境のために、何か良い事をするという情熱だけがあります。もしそのための内側の情熱がなければ、上手くいきません。それはダイエットではなく、生活の別のやり方です。」

 

「私には、ある程度の時間が必要でした。今からは、ただ前に進んで行きます。」

 

終。

➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

 

一部、訳していないコメントもありますが、是非ホームページを見てみて下さい。素敵なお写真も沢山あるので、見応えあります。

 

怪我に苦しんでいたニュースが続いていましたが、今シーズンは大きな怪我なく滑る事が出来るように願います。

モリーズ・オブ・ゲイシャ、いわゆるサユリですが、あの曲調はエフゲニア選手にピッタリな気がするので、早く演技が見たいなと思います!

 

また彼女は英語を上手に話しますが、それでも第二言語を話す人々の国で生活をする…最初は相当なストレスもあったかと思います。人によるとは思いますが。

「人々は完全に違う考え方をする」という話が出てきましたが、これも、例え新しい文化に触れて「こちらの方が良いのでは?」と感じても、育った環境で培われた感覚的なものを変えるのは難しいです。実際に本当の意味では変えられないような気がします。合わせる事は出来ますが。

 

10代で海外へ、しかも"恐らく非難されるだろう"と予想できたコーチ変更、それを乗り越えたエフゲニア選手。

4回転を跳ぶ少女達も本当に楽しみです。でも、エフゲニア選手のような素晴らしい表現力を持った選手が、更に成熟して、どんな演技を見せてくれるのか…待ち遠しいですね。