ザビアコ、エンベルト組︰全てが、在るべき場所に分かれていく。
ロシアのザビアコ、エンベルト組のインタビューです。
5/22の記事です。
https://www.goldenskate.com/2019/05/zabiiako-enbert/
【ザビアコ、エンベルト組︰全てが、在るべき場所に分かれていく。】
ロシアのペア、ナターリア・ザビアコ、アレクサンドル・エンベルト組は、昨シーズンに重要な前進となる一歩があった。ISUグランプリシリーズでの初めての金メダルを獲得、そして彼らの初めての世界選手権のメダル、銅メダルの獲得だ。次の2019-2020を見ると、このデュオはもっと高い所を狙っている。彼ら自身が一番のロシアのペア、という位置を確立したいのである。
どちらのスケーターも、彼らの成功を見ると、自信と安定性を持つ事が鍵となったと感じている。
エンベルトは語った。
「とても重要で、素晴らしい事だったと確実に言う事が出来ます。僕達はフリープログラムを苦が無く、落ち着いて、そして安定して滑るようになり始めました。ショートプログラムと同じように。見たところ、僕達にはそうなるために、ある程度の時間が必要でした。ショートは、僕達がスケートを一緒に滑り始めてからずっと、殆どクリーンに滑っていたんです。本当に最初のシーズンからです。僕達は数回だけ深刻なエラーをしました。
フリーでは、時々そういうエラーが起こりました。それは恐らく僕達を引き止めていました。僕達が成し遂げたいと思った位置に、辿り着く事を。」
「今年は、練習でも、どのランスルーでも殆どクリーンでした。」とザビアコは同意した。
「私は緊張し過ぎる事はありませんでした。ただ分かったのです。私達はクリーンに滑る事が出来る、偶然ではなく。そして私達が求めるやり方で滑る事は、苦にならないという事。それが助けました。」
ところが、とある後退があった。ロシアナショナルの後に、ザビアコとエンベルトは欧州選手権から棄権した。健康面の理由によるものだった。それが発表された時、エンベルトは医師の判断により、競技する事がはっきりとしていなかった。
「疲労が蓄積していました。」とエンベルトは明かした。
「基本的に、僕が医師に"世界選手権に行く事が出来るようになるために必要な事は?"と質問した時の答えは、ただ休む事でした。」
まず初めに、医師達はエンベルトに三ヶ月の安静を指示した。それはつまり、シーズンが終わる事を意味する。しかしながら、より専門的なスポーツ医学に特化した内科医による診察の後に、エンベルトは特定の計画に沿ったトレーニングを許可された。
「専門家達が僕にもっと詳細なアドバイスをくれました。僕の脈拍は140を越えてはいけない、と。」4月に30歳になったスケーターは説明した。
「僕は脈拍計を用意しました。それで、例え練習で何をしたとしても、僕は脈拍を見ます。140か、それ以上になったら、即座に練習をストップして、90くらいに落ちるまで待ちます。そして、練習を続けます。僕達はそれを一ヶ月ほどやりました。そしたら僕は回復して、僕の身体も回復しました。その事が、世界選手権において僕が健康面のリスクを取らずに、競技が出来るようにさせたのです。」
NHK杯のチャンピオンは、彼らのトレーニングプランにあわせながら、体型を維持する事が出来た。140の脈拍の速度は、準備をしたり、一つだけ要素を行うには十分だった。
「僕はベルト上で一時間に8か9キロメートルは走る事が出来ます。結構早いんですよ。そして脈拍は90から105くらいです。」とエンベルトは話した。
「僕がウェイトリフティングをやる時、脈拍は110くらいです。でも氷上へ行ってクロスオーバーで一周すると、脈拍は既に130近くになります。それで僕が思った事は、フィギュアスケートは恐らくハードなスポーツだという事です。何故なら15秒ほどで…クロスオーバーで一周するには15秒ほどかかるんですが、脈拍はほぼ140に上がります。それでも、僕達は体型を維持出来ています。」
エンベルトが世界選手権に出場すると公表されるかどうか、二人が分からなかった時とは、2018年欧州選手権の銅メダリスト達には容易な時間ではなかった。事実、彼らは困惑していた。ナショナルチームと同じように。
「私達が新年のホリデーから帰った時、それから少し時間が過ぎて、私達は世界選手権に行きたいと望んでいました。色々な事をやり始めたんです。」とザビアコは話した。
「そうしたら、私達はもっと長く待たないといけない、と言われました。いつもそうなんです。私達は試合に行けるような体型になりつつあって、そして、また待つようにと言われます。」
イベントの一週間前に、スケーター達は終にグリーンフラッグ(許可)を得た。彼らが日本へトレーニングキャンプのために出発する前だった。エンベルトは、来シーズンに似たような問題に陥らないように、確信を持ちたいと思っている。
「僕達はオフシーズンにもっとゆっくりする予定です。僕達は通常の2週間よりも、もう少し長く休暇を取ります。次のシーズンのメインゴールは、回復です。」とエンベルトは語った。
「五輪のサイクルは長いんです。」とエンベルトは指摘した。
「僕達がチームを組んだ時には、僕達は全力で走っていました。新しいペアとしてゼロから始めないといけなかったからです。3年で、韓国での五輪に準備が出来ているようでなければいけなかった。
毎年、僕達は新しい事を学ぼうとしています。僕達にはリフトがありませんでした。僕達が組んだ頃には、ツイストもスローも無かった。僕達は急がないといけませんでした。だからこそ、疲労困憊になってしまったんでしょう。実際的に、僕達は休んでいませんでした。僕達はトレーニングキャンプで最高の力を使い、限界になってしまいました。これは五輪の後に表れた事です。常時そのように身体が動かないという事は明白です。」
ザビアコとエンベルトは、ノヴォゴルスクでのISUのペアスケーティングセミナーを手伝った。彼らがバケーションに入る前の、5月の始め頃、デモンストレーションチームとしてだった。現在、彼らは新しいショートプログラムのためのアイデアの作業をしている所だ。
「僕達は今、アイデアを考察しています。その後に音楽を選んで、プログラムを作っていきます。」とエンベルトは話した。
その合間に、スケーター達は昨年のロングプログラムを持ち越す事を議論している。最終決定は来月(この時点では6月のこと)になりそうだ。ショートプログラムに関しては、一度早くアイデアを決めて、振付師を選びたいとしている。
「初めに、僕達はアイデアとキャラクターを全て考えます。それから振付師を探します。」とエンベルトは説明した。
「ペーチャ(ピョートル・チュルニショフ)は僕達に素晴らしいショートプログラムを作りました。他の誰でも、あのように上手く出来たとは思いません。何故なら彼はアイデアとキャラクターを理解していたからです。
パスクワーレ・カメレンゴは素晴らしいフリースケーティングを装備してくれました。歌詞がフランス語で、彼はそれを感じ取っていたからです。もし、ペーチャにフリーを作って、パスクワーレがショートを作ったとしたら、恐らくそんなに上手く運ばなかったでしょう。
そういう訳で、まず僕達はアイデアをまとめて、それから多分ペーチャかパスクワーレか、又は別の誰かに頼みます。」
「私達は恐らく、昨年のもの(2つのプログラムに関して)のような、かなり正反対のものは作らないでしょう。」とザビアコは付け加えた。
「新しいショートは、力強かったり勇ましいようなものには、きっとならないです。過去のシーズンのようなものには。それでも、2つのプログラムに違いが出るように努めます。」
世界選手権銅メダリストは成功したロングプログラムを持ち越す事を考えている。ロシアの作曲家、イゴール・クルトイの"トワ・エ・モワ"を新たなシーズンに使う事だ。
「私達はそれが好きでしたし、観客も気に入っていました。そのように一体化する事とは、素晴らしい事です。」とエンベルトはコメントした。
「私達は好きになるべきです。一年中それでスケートをしてきたのですから。観客は楽しむべきですし、審判はこう言うべきです。"これは素晴らしい。これが芸術だ。"と。」
オフアイスでは、ザビアコは24歳で、いつも少しシャイで遠慮がちだ。1年前に外見的に変えた。彼女がふざけて新しいヘアカットをやり始めた時だ。そしてロシアの23歳の映画監督ダニイル・グリンキンと昨年の秋に婚約した。彼女はフィアンセのポジティブな影響を感じている。彼女がインターネットで詩を書いたり発表したりし始めた時からだ。また、映画の脚本を書くことにも興味がある。
「ナターシャは必ずもっと自信を持つようになりますよ。」とエンベルトは言及した。
「彼女は基本的には自信を持っているんです。そして自分が何を、何のためにしているか、を知っています。それでもまだ、彼女はもっと輝きますよ。その姿を演技の中とオフアイスで人々は見るでしょう。とても良い事です。」
グリンキンは世界国別対抗戦の前の、福岡でのトレーニングキャンプにスケーター達と同行し、彼らのドキュメンタリーを撮影した。米国のチャンピオン、アシュリー・ケインとティモシー・ルドゥークも一緒だった。彼らはキャンプに参加していた。
「最も重要な事は、人々の日々の生活です。」とザビアコは考えを明かした。
「皆が同じゴール、夢を持っています。国からの独立、そして同じ問題も抱えます。スポーツは私達を一体化させます。」
ドキュメンタリーは次の冬か春の始め頃にリリースされる。
スケーター達は2019-2020のグランプリシリーズのために準備を整えていく。そして、ロシアのナンバーワンのペアになりたいと思っている。
「僕達が感じた事は、このシーズンがもっと良くなかったら、少なくとも遅れてはいなかった、という事です。」とエンベルトは言った。
「僕達は戦えるし、また戦うでしょう。そして僕達は、僕達自身に自信を持っています。ベストチームと仕事をしていると知っています。そしてロシアのナンバーワンになるための、全てを持っています。明らかに、これはスポーツであり、多くの要因にかかってきます。でも僕達はそれが出来ますし、目指しています。」
世界選手権銅メダリストは4回転スローやトリプルアクセルのスローをレパートリーに加える事は考えていない。怪我のリスクが高すぎると感じるからだ。三年前、ザビアコは深刻な頭の怪我に苦しんでいた。スロートリプルアクセルを練習していた時の事だ。スケーター達は既に競技の技術内容を持ち合わせていると指摘した。スロートリプルフリップやループ、それからサイドバイサイドのトリプルトゥループ、サルコウがある。しかしながら、彼らは将来において、別のサイドバイサイドジャンプや4回転ツイストの可能性を除外しない。
「僕達は出来る事を伸ばしていきたいです。」とエンベルトは言った。
「まだ沢山やる事があります。デススパイラル、リフトやスロー。僕達は今やっているスローフリップやジャンプに自信があります。だから、次のステップへ行けるのです。でも、来年は僕達の技術内容は今持っているものと非常に似たものになると思います。」
ロシアのナショナル銀メダリストは新しいシーズンを楽しみに待っている。そしてまた上手くやるための、彼らの能力に自信がある。
「全ての事は一つ一つのステップを踏んでいきます。その必要があります。まず技術を持つ事から始まって、その先があります。」とエンベルトは要約して話した。
「それは楽しい過程ですし、僕達も楽しんでいます。僕達は正しい方向へ進んでいます。そして全て僕達が望むように行っています。僕達の技術、プログラム、そして表現は成長しています。それは素晴らしい事です。全ての事が、在るべき場所へと分かれて行きます、僕達のために。」
終。