米国の樋渡智樹は自信を新たに、2019-2020シーズンを迎える。①

Golden Skateさんの、樋渡智樹選手の記事です。5/16の記事です。

長いので2つに分けて投稿します。

まずパート①です。

 

https://www.goldenskate.com/2019/05/tomoki-hiwatashi/

 

【米国の樋渡智樹は自信を新たに、2019-2020シーズンを迎える】

米国の樋渡智樹は今シーズンを良い調子で終えた。彼はクロアチアザグレブで2019世界ジュニアのタイトルを勝ち取った。2018-2019JGPFでの残念な結果の、三ヶ月後の事だ。

 

「僕は確実に結果に落胆していました。」と樋渡はファイナルについて話した。

「期待していなかった事でした。明らかに、もっと良く出来ると自分自身に期待していました。でも僕はまた、考える事が出来ました。どのようにナショナル、四大陸選手権、そして世界ジュニアへ取り組むべきか、という事です。」

 

後から考えると、それはスケーターにとって小さな光となる良い経験だった。12月のカナダ、バンクーバーであのような沢山の国際的な観客を見るとは、予想だにしなかったからだ。

 

「僕はその試合へ行く事に、ただ興奮し過ぎていたと思います。僕は精神的に集中出来ていませんでした。そこにいる事で興奮していて、ただ競技をするための精神的な準備が出来ていなかった。そこへ向かう時は準備出来ていました。でも、実際にその場へ行った時には、僕は自分自身を失っていました。試合そのものの集中を僕が続けられないような、沢山の事が起こっていました。」と彼は語った。

 

ファイナルの後に、彼は腰を据えて感情のバランスを取る事を学んだ。リラックスと集中、どちらも同時に出来るように。

 

「過去に、僕は集中し過ぎると上手く行かなくなる、という事を見つけ出したんです。もう一方では、僕は考えた事がなかったんです。試合に集中し過ぎる事は、よい仕事に繋がっていって、そして同じ効果になる。」

 

その次の月に、樋渡は2019全米選手権で4位となった。15位と12位だった、2017年と2018年それぞれから成長した。彼は2019年四大陸選手権にデビューし、8位という立派な順位を得た。またフリーと総合スコアの新シーズンベストだった。

 

ザグレブの世界ジュニアでは、この19歳はショートプログラムで新シーズンベストを出した。彼はステップシークエンスが成長したと感じた事を認めた。でも彼は演技の全体を、大抵は本当に幸せだと感じていた。彼のフリースケートでは4T-3Tと6回の3回転ジャンプを行った。どちらの区分でも2位となった時には、彼の総合スコアは230.32で、ロシアのローマン・サボシンとイタリアのダニエル・グラスルを上回り、彼を表彰台のトップへ登らせた。優勝、でもそれは2度目の4回転が2回転になった事で、ほろ苦いものとなった。

 

シーズンを通して、このスケーターは、いつ2度目の4回転を加えるのかを考え続けていた。前回、彼が2度の4回転をフリーで試みたのは、2017年の全米選手権だった。その時はアンダーローテーションとなり、どちらのジャンプも転倒した。彼は今シーズンの全米や四大陸選では、2度目の4回転のリスクを負いたくは無かった。ところが、四大陸選手権の後に、彼の出来るベストな結果を出す事が出来たと感じた。それが世界ジュニアで2度目の4回転に挑戦する意欲となった。

 

「シーズン最後にの試合に行く時には、僕のモチベーションは下がります。そして、本当にもうやり終わったんだ、と感じるんです。」と樋渡は認めた。

「僕は自分自身が世界ジュニアに刺激を受ける事が出来ないように思えました。僕は自分自身に語りかけました。もし他の目標を持っていたなら、と。そして、僕は意欲的になっていきました。そうして位置に着きました。自分に話しかけていました。"これは、やらなければいけない"と。四大陸選手権の後に3週間の練習をして、最終的に位置に着くと決めたんです。それは50-50のチャンスでした。でも、自信がありました。」

 

不運にも、2度目の4回転はザグレブでは抜けてしまったが、2018年CSアルペントロフィーの銅メダリストは、それでも金メダルを獲得した。そしてジャンプを試みた事が、彼のスケートをシニアへの次のステップへ移る事に関して、助けになったと感じた。

 

世界ジュニアのタイトルを勝ち取ったにも関わらず、樋渡は今でも2019年四大陸選手権でのフリースケートが、シーズン中でベストだったと感じている。彼は4回転は一度しか跳ばなかったが(3回転トゥループのコンビネーションで)、それでも技術点も演技構成点ザグレブでの試合よりも高い点数を得た。四大陸選手権は彼の初めてのメジャーなシニアISU国際イベントだった。

 

「チャレンジャーシリーズのイベントとは違いました。何故なら沢山の国際的なスケーターがいたからです。それに観客がずっと多かったです。僕がいつも見ていたものより、ずっと。」と彼は話した。

「そこには世界中から人々が来ていて、例えば日本とか。まるでナショナルのように感じました。その事が、8位の結果を得る事を本当に助けてくれたと思います。」

四大陸選手権は米国のLAであったので、氷に乗るのがとても素晴らしい感覚でした。」と樋渡は付け加えた。

「僕を応援してくれる人が沢山いると感じましたし、僕がロングプログラムを終えた時に、彼らが僕の名前を呼んでくれた時、驚きました。僕はそこで人生最高のプログラムが出来た事が、とても嬉しいです!」

 

クリスティ・クラールとデーモン・アレンにコーチを受けているスケーターは、来シーズンも2度目の4回転に取り組み続ける事を計画している。彼は4回転ルッツを試しに跳んだりはしてりるけれども、彼の2度目ジャンプはソロの4回転トゥループになる可能性が高い。

 

「僕は実際にはまだルッツを降りられていません。僕はネイサンやヴィンセントではないです。僕はただ小さな一歩一歩を進んでいる所です。」と彼は説明した。

「僕は本当にジェイソン(ブラウン)やユヅル(ハニュウ)のスケートのやり方が好きです。沢山のスタイルがあり、沢山の人々がいます。ネイサンやヴィンセントのようなやり方もあります。それは彼らのスタイルに合っています。そしてジェイソンやユヅルのようなやり方があります。そのやり方も彼らのスタイルに合っているんです。僕がやろうとしているやり方は、少しずつ4回転のための段階を踏んでいって、僕には常に欠けているスケーティングスキルと表現力に集中する事です。早く出来るようになった事は、特に何も意味しません。」

 

クラールコーチは語る。

「彼は昨年、技術の成長に本当に捧げて過ごしました。そして、それには2つの事があります。彼はオフアイスのトレーニングに本当に熱心でした。強さを調整する事と、回復の計画です。そのため、彼は自分の身体を微調整する事が出来ました。だからこそ、彼のジャンプを跳ぶために必要である、最重要なパワーに対応する事が出来たんです。」

 

付け加えてトレーニングの成長においては、このスケーターはジャンプの着氷に関して莫大な成長を遂げた。コーチによると、前年ではやや角ばった着氷やフリーレッグがフラフラ揺れたりしたそうだ。

 

「スケーターが着氷する時、そのインパクトは身体の体重の10倍にもなる。智樹は今その強烈なインパクトを取り込み、素晴らしい着氷へとつなげていく事が出来る。」

 

続く…。