ラフスケッチからラインストーンへ。どのようにチームUSAの三人が、氷上のコスチュームが実際に活躍する所を見るのか。

NBCsportsさんの、衣装に関する記事です。

5/29の記事です。

 

https://usfigu.re/2WdQ3Vw

 

【ラフスケッチからラインストーンへ。どのようにチームUSAの三人が、氷上のコスチュームが実際に活躍する所を見るのか。】

 

全ての氷上のパフォーマンスの裏側には、様々な要因がある。音楽の編集、振付の変更、または最後の微調整の言葉。仕事の舞台裏には、常に何かがあるものだ。

 

氷上の演技で数時間も費やすものではない事の一つとして、むしろ何時間も、何日も、何週間も、ミシンにより費やすものがある。デザイナーと裁縫師達はコスチューム作りの仕事を懸命に取り組む。女子、男子どちらの競技者にも、ペア選手達や規則の違いにマッチさせたりする。

 

何千ものラインストーンや生地の房を、毎シーズン、世界中のスケーター達やチームUSAのために縫い合わせる事に、異議申立ては無い。彼らは全員、デザイナーを頼りにしている。

 

アシュリー・ケイン、ティモシー・ルドゥーク組はデニース・フレイと組んでいる。裁縫師でありデザイナーで、ケインのスケーティングキャリアを通してずっと、彼女の衣装を作り上げてきた。

 

マディソン・チョック、エヴァン・ベイツ組はマシュー・キャロンと協同作業をしている。キャロンは、チョックのスケッチ、アイデアと共に数シーズンも作業を続けている。

 

そしてマディソン・ハベル、ザッカリー・ドノヒュー組にはハベルの母親、スーザン・ハベルがいる。スーザン・ハベルは若い頃からファッションのスキルと見る目を持っていた。それを娘のスケーティングキャリアの成功のために用いた。

 

ここに、それぞれのストーリーがどのように縫い合わされたのか、を書き留める。

 

《氷上から教会の側廊まで》

デニース・フレイはアシュリー・ケインの寸法を知っている。彼女は何年もそれを持ち続けている。スパンコールのついたショートプログラムのものか、それともロングプログラムのレオタードなのか。彼女は自分のテープメジャーを持っていて、夢見るようなコンセプト、そして"目"がある。何がケインの身体のラインを素晴らしく見せるか、という目だ。

彼女はケインがティモシー・ルドゥークと共に2019年米国のペアチャンピオンにまで成長した所を見た。国際試合のために何千マイルも旅をした、彼女のデザインをいつも着ていた。

ケインはこれほど感謝する事はない。フレイが近くに住んでいて、初めからケインの揺るぎないサポーターだった事だ。

 

デニースはこのスポーツを通して私の成長を見てきました。どのように対応してきたのか、成功、挑戦、それら全てのストレス等に対してです。コスチュームデザイナーとは、人に自信や力強さを感じさせたいのです。そしてそれが、私がデニースやコスチュームの事を考えると、感じるものです。」とケインは話した。

 

ケインは新たな理解を得た。彼女の隣にいるルドゥークの全身のレオタードだ。プログラムを通して、彼らの同調性を引き立てたり、彼らのなめらかなラインを生み出す能力に賛辞を送る。

ところが、全ての思い出が、彼女が今シーズンに見つけ出したコスチュームを連想するのではない。そのコスチュームはすぐに痛々しい思い出や瞬間の、視覚的な描写へと変わる。身体的にも感情的にも。そしてケインは12月の脳震盪の疑いの後に、それは真実だったと分かった。

 

「私はコスチュームを取り替える事が出来ませんでした。あの時の、氷から上がってから、午前3時頃にホテルにやっと着いた時までです。」

「そして一ヶ月経って、アクシデントから初めて、そのコスチュームを着ました。全米ナショナルのロングプログラムのためです。2つの全く違うコスチュームでした。でも、同じコスチュームなんです。あのコスチュームは多くの事を経てきました!」

 

フレイの一番最近のデザインは、ケインにとって今でも最も感情的な、影響のあるものとなった。そしてそれは氷上には登場しない。その可能性についての会議の後に、ダーレーン・ケイン、アシュリーの母親のウェディングドレスの裾が、アシュリーのウェディングドレスを作るために使われた。フィアンセ、ダルトン・グリブルとの7月に行われるセレモニー用のものだ。

 

そのドレスをどのように作り上げて現実のものとするかの可能性を決定した時、ケインはフレイが彼女にとってベストだと分かっていた。

デニースは素晴らしく美しい魂の持ち主です。これは彼女の情熱であり、彼女は常に仕事に110%の力を注ぎます。」とケインは語った。

 

ケインは1年以上、沢山の試着をしてきたが、どんなドレスも、ウェディングの直前に試着したもののようではなかった。

「最後に私が試着をした時、全てがリアルに感じました。それはとても特別な瞬間でした」

「それは元々ある紙に描いてあったもので、その後に私の身体に着せたのを見る時は、本当に夢が叶った感じがしました。」

 

フレイはケインのために縫い上げた。それはケインの人生でかけがえないものとなった。そしてフレイはチャンピオンのペアチームと仕事を続ける。寸法を計算して、新たに始まるシーズンのプログラムに息を吹き込むのだ。

 

 

《私のための、私によるデザイン》

マディソン・チョックのオフシーズンの準備のハイライトは、次のコスチューム等を含めたリサーチだ。多くの印象的なものを見つけ出した。描かれたスケッチとグループチャットで、彼女とエヴァンの衣装を決めた。

 

マシュー・キャロンと彼のチームは、マディソンのヴィジョンを現実のものとするための責任を持っていた。寸法や裁縫、ビーズで飾る事を通して。

「キャロンは物凄く才能があるデザイナーです。彼は私のスタイルや私の好みを知っています。だからこそ、彼が詳細な部分に関して確信が持てない時は、彼の意見を信じられる、と分かるんです。」

 

ただそれは、チョックのスタイルに関してだけではない。彼女とキャロンは、ベイツの意見も非常に考慮する。特に、何が必要とされるものか、について。お互いのパートナーにとって必要な違いに関してだ。リフト、柔軟性、安心感、そして安全性。

エヴァンは素晴らしいです。彼は私のコスチュームの感覚を信じてくれます。私は彼の意見をとても重要視しています。だから彼は常に製作過程に参加します。私達はいつも全体的に大きく見るような考えを持っています。」

 

何年もの間、チョックは自分のスタイルに関わらず、学んできた。ファッションを見る目、全体的な大局の絵について。それは確信を持つ事へつながる。そのコスチュームが選手にとって合っているか、という確信だ。

 

「私の21年のキャリアのスパンを見ると、私のコスチュームの適切な仕事を担当してきました。私が学んだ事で最も大切な事は、貴方の好きなものを身につける、という事。それは選手個人のボディタイプをより良く引き立てます。」とチョックは語った。

 

全てのスケーターの身体の造りは、似ていても違っているものだ。コスチュームとは様々な要因を重視して仕立てなければいけない。チョックはその点が、スケートを他のスポーツとは違うものにしている、と信じている。

「とてもユニークです。スポーツの中に、アスレチックなものと創造的なものが満ちているのです。私達のコスチュームは芸術的側面の非常に大きな部分を担います。私達の演技の全体的なインパクトになります。」とチョックは話した。

 

彼女は自分で良くリサーチし、手描きのデザインのものを世界中で着てきた。彼女はその2つの情熱を見つける事をやり続ける。

「スタイルやファッションを愛する者として、世界中の観客達に私の一部をシェアできるという事は、素晴らしい幸せをもたらしてくれます。」

 

 

《母のように、娘のように》

母親との繋がりと、彼女のスケーターとの長いキャリアに渡る献身は貴重で、何物にも代え難い。早朝の練習や夜遅くの試合がある。夜ご飯を準備したり、沢山のヘアスプレー。ところがマディソン・ハベルの母親、スーザン・ハベルは何年もの間、また別のスキルを食卓へ用意するようになった。

彼女はハベルの全てのドレスを縫い上げたのだ。初めての試合から、五輪デビューまで。その数はとても多く、ハベルは一つだけお気に入りを選ぶ事は殆ど出来ない。

 

「幸運にも、私の母はいつも側にいて、スケートでの典型的なファッションのミスから、私を守ってくれました。彼女のファッションへの愛は、彼女の作品を通していつも輝いてきました。私が少女だった頃でさえも。私は初期の頃のドレスを数点持っていますから、まだ着れたらいいんですけれど。」

 

ただ、ハベルの母のファッションへの目と手は、ハベルのスケートのキャリアが始まる、だいぶ前から成長していた。

「私の母は、高校生の時からファッションへの旅が始まりました。彼女は自分自身に縫い方を教えていました。」とハベルは説明した。

「母の家族は、彼女が欲しかったハイファッションに関する物に支払うお金がありませんでした。それで、彼女はその代わりとして生地にお金を使いました。自分で作ったのです。私は彼女の進んだ道を本当に称賛します。彼女はその後、大学でデザインを勉強しました。」

 

現在、彼女はコスチュームをハベルと協同で、毎シーズン作っている。ライフスタイルのものと、衣装の練習とは同じくらいだ。彼らは新しい作品の思いついたものをお互いに送り合う。そしてハベルはファッションの検索をしている。お店を色々見たり、オンラインをスクロールしたりしながら。

 

「衣服を作り上げる事は、いつも私と母の特別な絆でした。私は、私の感じ方を変える機会を得る事が大好きです。日々の基本的な生活も見ています。そして私の母は定期的に、新しく美しい物を私のワードローブのために創り出します。」とハベルは語った。

 

今、希望がハベルの家族の元へ届いている。

「私達の夢は、洋服とライフスタイルのブランドを創り出す事です。そして私達は今、発展したステージが始まった所にいます。私達のラインを最終的に発売する時に、私は依頼するでしょう。皆は私達のブランドを検索したり、言葉で広める時間を取るものです。私がスケートから引退した後に、私達が作った一つ一つの衣服を集めて、この絆の繋がりを拡大したいと思っています。」

 

ブランドの仕事が始まる前に、氷上の創作物の次なる試合でのデビューの機会を作り続ける。ただ、その道の個人的苦しみは無い。

「私はいつもラッキーだなと感じるんです。この旅の一つ一つを私の母と共有できる事が。それは挑戦でもあります。私達は常に、一番悪い批判を良く抱いています。それは私の母へと広がっていきます。彼女は自分の創作物に殆ど満足する事はありません。そしてそれは、彼女のストレスになります。彼女の創作物を身に着けて、試合に出る私を見る事がです。」

 

ちょうどそこでデザインを変えても、このペアでは、彼らのスタイルのセンスはもっと深みを増していく。この二人は、その道の全てのステップでお互いの手を取り合っている。

 

 

終。