エテリ・トゥトゥべリーゼ︰一度表彰台から落ちたら、貴方は何者でもない。

少し前のインタビューですが、エテリコーチのインタビュー、訳してみました。長い動画の訳を終えてちょっと気が抜けてますが、色々興味深いインタビューを訳していこうと思います。

元々、テレビのインタビューで話した内容から抜粋された記事のようです。

色々言われるエテリコーチですが、エテリコーチの信念があって指導に取り組んでいるのだな、と思います。

 

 

ロシア語→英語→日本語です。

 

https://fs-gossips.com/eteri-tutberidze-once-you-step-off-the-podium-youre-nobody/

 

【スケートのキャリアについて】

上手く行きませんでした。ベストなコーチの1人である、エドゥアルド・プライナーと仕事をしましたけれど。怪我があって、私は成長して、身体の整合性を失っていき、アイスダンスを勧められました。それは私の感情をそこねて、自尊心を傷つけました。私は、自分が愛する事をするための唯一の機会として、アイスダンスをやり始めました。でもそれは、私が本当にやりたい事ではありませんでした。

私は自分のしている事を愛するべきだったのですが、それでもシングルのスケーター達に嫉妬していました。私の身長の176センチでは、とても難しいという事を、私は理解していました。私はいつも小柄になりたい、中くらいになりたい、と思っていたんです。それはもっと、やりやすいですから。

 

【ズーリンの言葉です。"今の少女達は平らで、まるで少年のようだ。難しいジャンプを可能にするために。私達にはそういう少女達が必要です。見ていて、とても良い。"】

大人の半分の年齢のスケーター達がフェミニンな身体ではなかったら、どうしろと?見るな、とでも?それは、彼女たちは高いPCSは取れないという意味でしょうか。つまり、ズーリンの理解では彼女たちは大人の体型ではないという事でしょうか?私は同意しません。

 

【成長過程を抑止する事に関しての話です。】

 

私はその記事を読みました。我々が誰かの成長を抑えていると。そして時々、冗談で、私は言うんです。"その治療法を私にください。その成長を抑止するものを。多分私は使うでしょう。"と。

今シーズン、アリーナは変わりました。成長したのです。小さな女性になりました。恐らく、この複雑な私達の道とは、つまり私達は証明したいのです。私達は偶然なったチャンピオンではない、という事を。

 

多くの事が身体の形成を制限します。でも今分かることは、それでもそういう事は起こるという事です。私の感覚では、このスポーツをやっていなければ、全てのフィギュアスケーターはわずかに身長が小さかったでしょう。恐らく彼らの今の身長よりも。私達が選手達をバケーションへ行かせる時、誰が戻ってくるのか、誰も知りません。重荷が少なくなる時、身体は成長するエネルギーの方へ向かうでしょう。

 

【(イリーナ・)ロドニナ(元ペアスケーター、1972、1976、1980五輪で金)の言葉です。"何故私達は小さな女の子達をロシアナショナルに参加する事を許可したのでしょう?シニア勢を脅かすため?彼女たちが17歳になった時に見る事は、私にとって興味を引かれるものとなるでしょうか。彼女たちはまだ4回転を跳べるでしょうか?恐らく失礼な言い方になるでしょう。でもコーチ陣はとても腐りやすい製品を持っています。思い出してください、5年前を。ロシア中がリプニツカヤに夢中になっていました。そして、私達は座って考えました。"ジャンプが低い。体型が細い。彼女はきっと何も食べていないだろう"  と。そして成長が始まったら、何が起きるのか?少女はスケート靴を投げ捨てて、見たくもなくなるでしょう。誰がこの質問に答えますか?"】

 

私は当然ながらロドニナには同意しません。彼女には、彼女の残りの人生に対して、人にお辞儀をさせるような、多くの功績があります。でも彼女はコーチではありません。だからこそ、この事についての推論で、間違えているのでしょう。

ユリア・リプニツカヤに関して言えば、世界中が彼女に感嘆し、彼女は送られた愛を受け取っていたのです。時には、スケート靴を脱いで休んでいました。何故なら、その重荷は止まる事がないからです、大変です。人々が定期的に彼女から何かを期待している。

彼女は、彼女の道を通り過ぎました。その道とは、彼女が望んだものです。母親の助けと、私の助けと、他の全てが、彼女と共にありました。私は彼女は幸せだと思います。成功の頂点へ行く機会を得て、素晴らしいプログラムを見せる事が出来たのですから。

 

何故私達が、シニアに参戦できない小さな女の子達を許可するのか。待って下さい。事実として、私達の女子スケーティングは彼女たちに許可を与え始めてから、発展しました。ソトニコワは12歳でロシアナショナルを優勝しました。そして、オリンピックもです。ジェーニャ・メドベージェワは14歳で優勝者となりました。それは、この少女がシニアでも表彰台に上がるだろうという事が、明らかでした。

13歳のアリサ・リウは3Aを跳んで、USナショナルで優勝しました。そして今彼女は4回転ルッツをやっています。最も難しいジャンプです。米国人達は、この事を許可しました。何故なら発展するからです。それで我々は、その事を抑止するのですか、シニア勢を怖がらせる事を恐れるからといって?でも彼女達は必然的にそういう事と向き合うようになるのです。

 

何一つ、14-5歳のティーンエイジャー達の気を紛らわしたりしません。彼女たちは結果に貪欲です。少女達が何かに届いたらすぐにでも、年上の選手達は自分自身を気の毒に思う事でしょう。"20歳という年齢では、私は新しい要素を学ぶ事はできない。何故なら身体がそんなに柔軟ではないから。"と。何か新しい要素を学ぶ事は、怪我に繋がります。選手が10代の青年期に要素を学ぶとなれば、全てがより簡単です。精神的にも、そして怪我も早く治ります。それでも小さな怪我は起きるものですよ。

 

【アジア人のメンタリティについて】

例えば、エリザベート・トゥルシンバエワです。4回転サルコウを取り戻した選手です。彼女はトレーニング中に特に質問をしません。私が「リーザ、ジャンプの練習をしなさい」と言うと、彼女は「OK」と答えます。我が国のアスリート達がそのようであった事は有りません。

第一に、指導者は両親を納得させる必要があります。ただそれでも、いつか納得させるというのは、事実ではありません。多くの両親は、自分の子ども達は美しいのだと、疑いもなく信じています。

まるで戦いです。私がボールを投げて、それが返ってきます。私は「これをやらないといけません。」と言います。そして答えは、「何故ですか、今日はやめましょう。私が明日やります…」

私達がプログラムを再度滑る事が必要だと考えていて、その事を東洋の少女に伝えると、彼女は同意します。我が国のアスリートはと言うと、そのような形で彼に再度滑る機会があるなら、その課題を選手に与えた事を後悔する事になるでしょう。

 

【メドベージェワとリプニツカヤが離れた事について】

コーチの厳格さとは、その役を演じるものです、ある選手が既に何かを勝ち取った時に。それから、今はその選手が違うやり方で練習するという事を決めるんです。この選手は違うように扱われるべきだと。まるで、もし私が何か間違った事をしたら、名字で呼ばなくていい。下の名前で呼んでいい、というような。

矛盾が生じ始めます。何故なら私はこう信じるからです。「私の愛しい子、どのように貴方がメダルを取ったのか。それだけが、貴方をより高みへ連れていくものです。」

私が選手のことを可哀想だと思い始めると、負荷を減らします。「今日、貴方は疲れていますね。一週間休みなさい。そしてまたここへ来たら、全てが上手く行くでしょう。」

いいえ、全ては同じなんです。もし今週の頭に何か完全な不整合があるとしたら、それは変わりません。

何故突然に全く一週間の休みを取るべきだというのでしょう?何故選手のために別々の振付師を招待する必要があるのでしょうか?何故他の皆と一緒にジムでトレーニングが出来ないのですか?メダルを持っているから?一度表彰台から落ちたら、それで終わりです。貴方は何者でもない。次の試合で、逆に自分を証明しなければいけません。(敗北と)反対の事を証明するまで、重ねて言いますが貴方は何者でもありません。貴方は過去にメダルを持っていました。でもそれは将来の助けにはなりません。

 

【ロシアへ帰国した事に関して】

私にとっては、自分の生活を築いて、お金を稼いで、指導をする…そういう事が出来る自分自身というものを、証明したいと思った瞬間がありました。ついでですが、米国で働く事は財政的なものがとても有益なんです。彼らはロシアのコーチは最高のスペシャリストだと信じています。

でも、"私は生きていない"という感覚がありました。私はプラットフォームに立っていて、電車が何度も通り過ぎるのです。そして、その全ては私の物ではない。私は自分が生きて動き始めるのを待っていたんです。全ては上手く行っているように見えました。でも始まらなかった。私は戻る必要があると気づきました。

私の家族は大家族です。私は5番目の子どもです。私は家族が欠けているのかどうか、は分かりませんでした。けれども、私は"お互いがいないと生きていけない"とは言えません。現在、モスクワで働いていて、私達はお互いに殆ど会うことはないです。でも私は親戚の人達が恋しかったんです。

私は、ここで誰も私を待っていないという事を分かっていました。でも私は全ての辛い出来事や嫌な事を耐え抜かないといけなかった。ゼロから生活を築き上げる事をやってみたのです。

 

私は米国に沢山の友人がいました。私の友人は彼らだけです。私が一緒に働いていた男性陣を除いてですが、私のチームですから。ロシアには友人はいません。でも米国にはいて、彼らは本当の友達なんです。ただ私が最初に米国へ行った時には、理解できませんでした。皆が笑顔なんです。でも事実として、人々は他人の事を気にしないんです。それに慣れる事が出来ませんでした。ロシアでは、私達は笑顔になるか、それともお互い全く気づいていないか、のどちらかです。私はその方が正直だと思います。

 

【米国人スケーターに関して】

彼らは氷の評価をします。何故ならお金を払っているからです。両親は子ども達に無理に強いる事をします。それが受け入れられています。氷にお金を払い、レッスンにお金を払う。毎分に価格がつくのです。

私は、あるアスリートを受け持っていました。どうしたらいいか分からない子でした。彼女はとても背が高かった。私は彼女の身体を壊してしまうのが怖かったんです。彼女が私の所に来たので、私は彼女に聞きました。「調子はどう?学校はどう?」彼女は答えました。「ごめんなさい。時間ですから、レッスンをします。」

そして私達ロシアのスケーターは…対極にいます。彼らは5回も氷から出て行って、靴ひもをゆっくりと結びます。漁師が寝ている間に、網が魚を取る。彼らは氷の大切さを認識していない。無料で得ようとする物は、感謝されないのです。

 

【どのようにメダルが配分されるかに関して】

イリーナ・ヴィネル(新体操のコーチ)が残した言葉があります。よりクリーンな「尾」を持つ者が勝つ、と。彼女の意味した事は恐らく、勝利への道は貴方の尾ひれの部分だという事です。この事は、私は同意します。私は何度アリーナに話した事でしょうか、メダルはどこか上方から配られるものですよと。

オリンピックで、私達は座って少しお祝いをしていたのですが、ある韓国人が歩いてきて、テーブルの上の2つのメダルを見ました。アリーナが取ったものです。彼は足を止めて、そして言いました。

「どうやって?2つのメダルを取ったんですか?貴方は理解しなければいけませんよ。オリンパスの神が、貴方の何かの功労を報いる事を決めたのです。」

 

〜 ここから突然一問一答 〜

【貴方はいつ嘘を言いますか?】

滅多にありません。

 

【貴方に欠けているものは何ですか?】

娘の健康。

 

【後悔している事は何ですか?】

(長い間考える)後悔しないようにしています。

 

【他人の事で耐えられない事は何ですか?】

彼らが目の中で嘘をついている時。

 

【自分自身で好きじゃない所は?】

忘れる事が出来ないので、だからこそ思い切り自分を全て出す事が出来ません。

 

【夕焼けと朝日なら?】

夕焼け。

 

【犬か猫なら?】

犬です。

 

【山と海なら?】

海。

 

【貴方にとってお金とは何ですか?】

生活を意味します。

 

【神様に会えたら、何と言いますか?】

神よ、私をお赦しください。

 

 

終。