【アーカイブ】アシュリー・ワグナーさんインタビュー。JohnWilson BladeさんのYouTubeチャンネルより。

John Wilson BladeさんのYouTubeチャンネルでのアシュリー・ワグナーさんインタビューです。

色々な話を、素直に自分の言葉で、堂々と語れる。見習いたいなと思います。

 

https://youtu.be/w3sOYO_76kw

 

Q. 調子はどうですか?

 

A. とても良いです。有難うございます。今はここスコットランドにいます。ウェスト・スコットランド・アカデミーのセミナーで教えています。子供たちは素晴らしくて、この数日はとても楽しく過ごしています。

 


Q.規模の大きなセミナーは初めて?

 

A.はい。以前もセミナーをやった事はありますが、大抵は一日だけのものでした。全てコンパクトにまとめたような。短い時間のものです。数時間とかで出来るだけの事を伝えようと頑張りました。

でも今回は4日間の合宿なんです。ですから色々な動きやジャンプを細かい部分まで微調整できます。選手たちが技術を理解する事を、本当に助ける事ができます。

私は選手たちの助けになるよう努めたいと思います。良い時間が過ごせていると感じますね。やはり短い時間でスケートのことを教えるのは難しいからです。説明する事も多くて、人も行ったり来たりして…今回の4日間の合宿は私にとって初めての事ですが、数日間で子供たちが成長していくのを見るのは、素晴らしいですね。

 


Q.指導のどんな所が楽しいですか?

 

A. 私にとっては振付の指導が楽しいです。最初の半日は技術面のジャンプ等の仕事をしました。例えば3ループを跳ぶために、どのように身体を保つのか、子供たちが理解するように教えました。

その日の後半は振付に取り掛かりました。私の昔のプログラムを使って、表現の重要性だったり、観客とつながること、そういう事ですね。子供たちはプログラムの1つ1つの動きを通して、楽しんで学んでいました。

それから、国際試合で戦えるプログラムをやるので、子供たちがそれまで行っていたものより難しいのです。子供たちが努力して追いつこうと頑張る姿を見るのは、素晴らしいものです。

 


Q. 現在のフィギュアスケートで、どの選手の演技が優れて見えますか?

 

A. 私が思うに、私自身の特有の演技のタイプというのは、何と言うか…私は強く、ドラマティックな音楽に引きつけられたと言えます。少しセクシーだったりとか。

現在のスケート選手でそういった感じのものがあるとは、ピンポイントで言うことはできないです。でも宮原知子の演技は、この数カ月を見てきて、絶対的に魅力がある素晴らしいものです。サトコは、人々に「彼女の演技が見たい」と思わせます。サトコは現在のスケート界において、大好きな演技者の一人です。

 


Q. 今好きな振付師は?

 

A.  私はシェイ・リーンの振付に引き込まれます。とにかく本当に素敵ですね。彼女の音楽の聴き方、動きの付け方、驚異的な素晴らしさです。

それから、ケヴィン・エイモスです。氷上での彼を見るのがもう大好きなの!彼のショートを誰が振付けたのか、ちょっと分からないんですけれど、男子のショートで大好きなプログラムの1つですね。

 


Q. ISUの新しいルールをどう思いますか?

 

A. そうですね…GOEを+5から-5まで拡げた事は、とても良いアイデアだと思います…その…理論上では。このジャンプは出来栄えがどれだけ良かったか、それとも悪かったか…そのジャンプが実際どうだったのか、微調整したり、理解したりする事に繋がります。

 

ただもう一方で、このスポーツの政治的なものに門戸を開いているような感じも受けます。もし審判が正しく行われれば、それは素晴らしいんですよ。ですから、あと数シーズンどのように運用されるか見なければいけません。このスポーツにとって、この変化がどんな意味を持つか、という事も。


それと私は、今はプログラムのバランスを保つ事を要求している部分が好きです。それは年長者のスケーターの強みにもなると思います。ただジャンプだけ、ポイントを取るだけではなく、全体的なプログラムと演技が必要だからです。ジャンプも全体に配置しながらです。人々がプログラムを調整しながら構成できるというのは、賢い動きに思えます。

 


Q. 貴方ならどのようにルールを変えますか?

 

A. 私が思うこのスポーツの採点の問題点は、セカンドマーク(演技構成点)です。採点でとにかく、あまりにも一定だからです。

例えば、最高のスケート技術を持ちながら、演技に関してはあまり良くない選手がいるとしましょう。人々を感動させたり出来ないんです。何かがセカンドマークにおいて欠けているわけです。それでも大抵の場合は採点が一律で揃っているんです。スケート技術が9点なら、全部9点代がつきます。


私はもっと積極的にセカンドマークの中で差をつけて欲しいと思います。審判が何を本当に見たのか。一律で採点された選手が沢山います。例えば私なんかは、トランジションに関してはかなり低いと思いますね。私はつなぎをあまり入れていなかったので。ですが演技に関しては、もう少し高くてもいいかなと思います。私はそういったスコアの中の変動的なものが見たいです。

 


Q. もし貴方がアイスダンサーなら、誰をパートナーに選びますか?

 

A. うーん…私自身は最悪のパートナーになるでしょうね(笑)私は身体の保持の仕方が分かりませんし、リフトをする時に相手を助けられません。私は重たいしね。

個人的には誰か、とても強くて筋肉質な人がいいです。すごく背が高くて強い…アンドリュー・ポジェさんとか。とにかく背が高い人を考えないといけませんね、ザック・ドノヒューみたいな。なんていうか、もし私をリフトする時でも簡単に見えるように出来る人じゃないとね。私は死んだ魚みたいでしょうから(笑)

 


Q. 若いスケーターにアドバイスをするならどんな事を?

 

A. 私はボストンでも教えているんですが、ここ数年指導をしてきて思ったのは、若いスケーターは「勤勉さ、重労働」という事の意味が本当には分かっていないと思います。何度も転ばないといけないとか、どれだけの力を一日の練習に注ぐべきかとか。私がここまで来るためにしてきた事です。私はとにかく練習する事においては長けていました。

今の子供たちは早く満足したがります。その満足感というのは、とにかく練習をしなければ、このスポーツでは実際に得ることは出来ません。

 


Q. (貴方が子供のころと)変わったなと思いますか?

 

A. そう思います。今現在の一般的な文化の移り変わりというか。私が育った子供の頃は沢山努力する事をきちんと理解していました。勿論いつもでは無いと思いますけれど。でも私の世代のスケーターというのは、多くの努力や仕事に力を注ぐ事が、成功へと繋がると理解していたと言えます。

 

 

 

Q.  フィギュアスケートで恥ずかしい思い出はありますか?

 

A.  氷上の話だと、私がもう年長者になってから、ありますね。プログラムの最後の方に2Aがあったんですが、それが抜けてしまって。私は顔から氷に転んだんです。それで観客が皆さん「うわあああ」ってなっちゃって。すっごく痛かったし、でもプログラムを最後までやらないといけないし、て感じで。それは恥ずかしかったですね。


子供の頃には、リンクでかかっている音楽とプログラムの音楽の違いが分からなかった事があって。自分のプログラムをやろうと思ってCDをかけたんです。それがリンク用の音楽として流れてしまって。誰も準備してないのに、観賞用として誰かのプログラムの音楽がランダムに流れてしまう…という事が起きました。思い出すと、ゾッとしますね。6歳の頃の話ですけれどね(笑)

 

 

 

Q. 試合で酷い転倒があった後は、どうやって演技を続けますか?

 

A.  試合ではアドレナリンも出ますから、それが自分を動かす力になり、やり通せます。でも練習では、少し時間をとって立て直します。

そこも1つ、今の子供たちに関しては、練習で転倒したりミスをするとすごくイライラしてしまいます。最後までやり通す代わりに、一度止まってしまう。本当に失敗を無くすために、最後までやりとげなくてはいけません。もし試合だったらどうしますか、止まる事はできないんです。最後までやるしかない。とにかく、最後までやり遂げる事です。

 


Q.  貴方の猫、オリィがもしフィギュアスケーターだったら?

 

A.  ちょっと考えたいですね…。私が猫を飼い始めた時、私はメスだと思ってたんです。オリーブと名付けました。でもすぐにオスだと言うことが分かりました。それでオリバーに変わりました。それで、その猫は性的区別がないと思っていて、でも彼はちょっと生意気な所がありますね。アダム・リッポンでしょうか。彼の2018年のショートのような感じです。オリバーが形を変えるなら、アダムのショートプログラムね。クラブミュージック。それが私の猫ちゃん。

 


Q.  貴方の猫のどこが1番好きな所?

 

A.  帰宅すると彼の鼓動が感じられるほどです。ちょっと犬のような性格の持ち主ですね。でも私が2日くらい家にいなくても彼は死なないでしょう。

 


Q. 猫は貴方が帰るのを待ってるという事?

 

A.  はい。彼はずっと私と一緒にいますよ。とにかく家中で私の後をついてきます。それからずっと私に話しかけてくるんです。彼を飼っている事はとても素敵な事です。

 


Q.  貴方の現在を一言で表すと?

 

A.  幸せです。スケートは本当に素晴らしいものてす。色々な理由から長い間スケートに関わっていますけど、私は13歳から国際試合に参戦しました。これは誰もが出来る事ではありません。例えばスケートをしていなかったら、その年を人生から無くしたとしたら、私は何をするのが好きなのか、そんな事さえ見つけないといけなくなる。フィギュアスケートと共に成長した事は、私にとって大きな事でした。

 


Q. プロとしての将来の計画はありますか?

 

A.  今はNBCで解説をしています。とても楽しんでいますよ、点数をつけられる代わりに、私が審判のようなことをする訳ですから。楽しいです。沢山書き物もしましたし、数カ月後にはポッドキャストも始めるんです。色々な人と話して…あまり言わない方がいいかな?とにかく近々ポッドキャストを始めたいと思ってます。

 


Q. スターズ・オン・アイスについて教えて下さい。

A. 確か4月の16か18のどちらか位から始まります。色々な都市に行きますよ、皆さんの近くにね。良いショーです。アメリカツアーのメンバーは、アメリカの最高の選手も入ります。ネイサン・チェンもゲストで滑る時がありますし、メリルとチャーリーは常に素晴らしい。多くの素晴らしいスケーターが一緒にショーに出ますから、それは素敵なショーになります。私が子供の頃にスターズ・オン・アイスが好きだったのも、それが理由です。グループナンバーもありますし、沢山のスケーターが一同に仕事する事で、とても結団して楽しいものになるでしょう。皆さんにとっても。

 


Q. ジョン・ウィルソン・ブレードは好き?

 

A.  もちろん。確か私の初めてのスケート靴も…どっかから密輸したのかも?(笑)よく分からないけど、かなり昔からジョン・ウィルソン・ブレードでした。パターン99をずっと使っていました。

ブレードは私個人的には、鋭さが良く保てます。特にフルタイムで練習したり試合に出たり、沢山ショーに出る時には、ブレードへの信頼感は大切なものでした。突然壊れてしまったりしないので。

つまりブレードへの信頼感というのは、質です。確かな信頼。私は「絶対に経験したくないと思うような事」を、経験していません。何故ならブレードに確かな信頼があり、安定しているからです。常に私にとって良いブレードでした。

 


Q. 「レボリューション」の技術の際立った所はどこでしょう?

 

A. 確か私はそのブレードが販売されてから、すぐに替えたと思います。スケート靴をより軽くするアイデアが、とても魅力的でしたから。私は23、4歳くらいで、自分に少しでも、より早く、より高くできるきっかけになる物が欲しかったのです。

初めて私のカーボン繊維の靴にレボリューションを付けた時の事を覚えています。私はまるで氷上でテニスの靴を履いているようでした。上手く出来ず…とにかく普通の靴みたいだったんです。私にとっては、ほんの少し重さを取り除いてくれた事が、完璧に合っていました。

過去の数年間を思うと、私が3-3を跳ぶための鍵になったのは、靴をレボリューションに替えた事でした。ただほんの少しだけですが、軽くなった事です。

 

 

Q.  自分のキャリアを振り返って、誇りに思う事は?

 

A.  長期に渡り選手でいた事です。最近では多くの選手がすぐに入れ替わります。技術的なものを要求されるスポーツですから。色々な特有のものを持った選手がどんどん出てきます。私は11年間シニアで選手として戦いました。長期に渡り選手を続けたことは誇りに思っています。

 


Q. インタビュー有難うございました。これからのキャリアも、ポッドキャストも幸運を祈ります。

 

A. あはは。こちらこそ有難うございます。