ロシアのペア、ボイコワ、コズロフスキー組のインタビュー。「1位になりたくなければ、何故スポーツをするのでしょう?」

ロシア期待のペア、ボイコワ、コズロフスキー組のインタビューがありましたので、訳してみました。

ロシア語が英訳されたものを、さらに日本語に訳した形になります。

 

I→インタビュアー

A→ボイコワ

D→コズロフスキー

https://fs-gossips.com/alexandra-boikova-and-dmitri-kozlovskii-any-athlete-tends-to-be-the-first-otherwise-why-do-sports/

 

【アレクサンドラ・ボイコワ、ドミトリー・コズロフスキー。

多くのアスリートは1位になりたがります。そうでなければ、何故スポーツをするのでしょう?】

 

インタビュー。昨シーズン、現在のルール、そして将来への計画について。

 

I:今シーズン、貴方達は高いレベルの試合に参戦しました。それは別のレベルの責任とプレッシャーがあります。それにどう対処したのでしょうか?

 

D:シーズン全て、本当に最初の頃から、僕達は自分自身のための新しいレベルを見つけ出そうとしていました。ですから、プレッシャーに関してはあまり考えなかったです。

まず初めに、僕達はベストな演技をしようと努めました。よりミスがなく、揃っている事、世界レベルの舞台で僕達の演技を見せる事です。そして僕達は上手く出来ました。多くの人々、観客…僕達にとっては演技をする事がより容易なものとなりました。

 

A:私が付け加えるとしたら、シーズン全てでより成熟したスケートが出来た事です。私は全ての事を、もっと意識的に行うようにしていました、去年よりもです。私達はこのシーズンが出来て幸せです。

 

I:どの試合を一番覚えていますか?

 

D:当然、世界選手権です。簡単ではありませんでした。僕達は厳しい、段階的な準備をしました。それに日本への飛行機移動は、近い距離ではありません。そうでしょう。

世界選手権は鍵となるものです。シーズンの中で最も重要な試合です。そして、日本で僕達が良い演技をする事が出来た、という事実は、特別な感情を得るものでした。

欧州選手権に言及しないというのは無理な話です。シニアでの初めてのメダルですから!

それから、世界選手権での緊張感が一番覚えている事ですね。

 

A:私はカナダでのグランプリの試合を覚えていますね。私達の初めてのメジャーな国際試合で、同じチームや、別のチーム、違う国のスケーター達に会いました。

どうして私がグランプリ・カナダを覚えているかって?何故なら私達はクリーンに滑って、そして4位に終わったからです。それから、ジーマとモーガン・シプレが、どれほど私を励ましてくれたのか、を覚えています。私は長い間、なかなか回復する事が出来ませんでした。

ですから、私がシーズン前半の事を話すとなると、一番覚えているのはスケートカナダです。シーズン後半なら、欧州選手権と世界選手権です。とてもたくさんのエネルギーを、試合のための準備に向けて注ぎ込みました。私は、世界選手権がスクールホリデーと同時期になった事が嬉しかったのを覚えています。勉強がより簡単になるだろうと気付いたのです。

 

I:試合ごとに上達しているな、という感覚はありますか?

 

D:勿論です。スコアを見てみて下さい。僕達がどのようにスタートして、どのように終わったのか。僕達は190点からスタートしました。そして最後には210点を越えたんです。セカンドマークも、技術点も伸びました。

 

I:来シーズンに全ての試合で表彰台に乗るために、どのようにトレーニングを変えたいと思われますか?

 

A:初めて聞かれました。全般的に進歩があるのならば、どうして私達が何かに不満を持つべきなのでしょうか?今はオフシーズンです。新しいプログラムを作って、新しい要素に取り組みます。

 

D:何を変えるのでしょう?僕達はスケーティングを成長させたいです。技術的要素を複雑なものにして、新しいリフトも学びたいです。でも、現在僕達はそれを取り組んでいる所なんです。何か問題がある時には、トレーニングの何かを変える必要があります。そして何も問題がないわけですから、僕達は進化して、持っている技を強くするだけです。

 

I:今では、全てのペアが殆ど同じ内容をやっています。ジャンプの内容です。どうやって他の競技者達を打ち負かしますか?

 

D:今は、ペアはアイスダンスのようなものに変わってきています。何故なら皆が殆ど同じ事をやるからです。そして何か難しい技術的要素を加えたいと思うとします。例えば、新しいジャンプです。しかし、本当に選手たちが確信を持てる時にだけ、その要素をプログラムに加えたいと思うでしょう。

 

A:100回ジャンプを跳んで、100回成功できる時ですね。

 

D:僕なら10回中、10回と言います。休むために。今のルールによると、そういう事を習う事に、道理が通っている感じがしません。例えば4回転ツイストなんかの事です。

 

A:私は本当に4回転スローが習いたいと思っています。でもコーチは違う見解があるようです。

 

D:アルトゥール・ミンシュクは4回転スローがトラウマ的なものだと思っています。スローが普通のジャンプよりも難しい技になった頃から、慣性はより高くなり、ミサイルの弾道のようです。4回転スローを学ぶ事は、何度も転倒する事になり、それは簡単に怪我をする事に繋がります。非常に多くのエネルギーを使う事になります。でも、そのような要素の失敗は、人をはるか後ろまで、放り投げてしまうでしょう。

もしペアにおける点数が、シングルスケーティングにおいて、少なくとも同じ技として行ったらどうなるか、その違いを言うとすれば、「難度の高い要素を行う価値があるかどうか」という事です。例えば、シングルスケーティングで3サルコウは4点で、4回転は10点です。つまり、リスクを冒す価値があります。

そして、4回転ツイストでもし小さなミスがあれば、3回転のプラスGOEよりも点数が少なくなります。挑戦する道理となり得るでしょうか?ロシアナショナルで4回転ツイストを実施したペアが獲得した点数は、質の良い3回転のものよりも、低い点数でした。

4回転ツイストを実施する事は、両パートナーにとって身体的に厳しいもの、という事実にも関わらず、4回転ツイストを「レベル4を取るための技として分類する」事は、殆ど不可能です。

4回転ツイストで手を上げて回れるのは、猫だけですよ。10キロもの重さがかかるのですから。必要な事は、安定している要素を複雑なものにする事です。それがペアの要素とジャンプに適した事です。

でも、近々、もしくはもう少し先には、全てを習う事が出来るようになるでしょう。ですから、そういう方向性への進化というのは必要な事だと、僕は信じています。

 

I:ところでジャンプですけれども、貴方たちは3回転3回転のコンビネーションジャンプを持っていますね。何か新しい事を加える予定はありますか?

 

D:現在、僕達はトレーニングにおいて、全てのジャンプを練習しています。ジャンプのために時間を分けています。ジャンプの練習をして、それから、どのジャンプが安定しているのかを見ます。でも、将来には、多分北京五輪の時は既に、難しいジャンプがある事を僕は確信しています。そのため、もし僕達がトップのペアチーム…10点とかGOE5点を取るようなチームと戦うなら、そういう方向へ動く必要があります。

今では、ペア競技をリードするチームというのは、彼らの最高点に届きつつあります。エラーの無い演技をしたら、彼らの点数は最高点に近づくでしょう。ですからそのレベルに上がっていくために、全ての方向性に取り組み、進化しないといけません。

勿論、僕達は勝ちたいです。でも、勝ちたくないアスリートなんていません。だから、僕達は勝つために、まず沢山練習をして、良い選手になるための多くの努力をしないといけない、という事を理解しています。

 

I:世界選手権が貴方達にとって、シーズン最後の試合でした。国別対抗戦は見ましたか?

 

A:見ました。そして、私はああいう試合に参加したいと思いました。でもそのためには、高いランキングが必要になります。1位になる事で、その資格を得るのです。

 

D:でも1位のペアチームになるためには、僕達は非常に厳しい練習をしなければいけません。何故なら、僕達はトップのペアチームになりたいからです。ロシア国内だけではなく、世界のトップになりたいです。そのためには、何時間、何週間、何ヶ月もの氷上練習と、氷上以外での練習も必要になってきます。多くのアスリートは1位になりたがります。そうでなければ、何故スポーツをするのでしょう?

 

I:ナターリア・ベステミアノワとイゴール・ボブリンが貴方達の新プログラムを手掛けるそうですね。

 

D:はい。彼らはショートプログラムをやってくれます。ニコライ・モロゾフがフリープログラムを振り付けてくれる予定です。今はショートに取り組んでいる所ですよ。

 

終。